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    スギHD|企業研究

    2019年度、スギHD(以下、スギ薬局)は売上高ベースで業界5位に位置しました。

    調剤事業をメインに据えたトータルヘルスケア戦略の展開、ピッキング支援機器等の積極的な設備投資、50万ダウンロードを超える予防を目的としたアプリの開発、などを実施しています。

    本記事ではスギ薬局の現状や特徴についてまとめます。

    スギ薬局の現状

    スギ薬局の2019年の決算の売上高は5419億円でした。2015年までは、堅調に右肩上がりしています。

    セグメント別構成比は、調剤が22%、医薬品(ヘルスケア)が21.4%、化粧品(ビューティー)が20.6%、日用雑貨(ホーム)が18.8%、食料品(フーズ)が17.1%でした。

    スギ薬局は2019年度にセグメントの分け方を変更したため、2018年度以前との比較ができません。また売上高も公表していないため、売上高に対する比率での表示となります(おおよその金額は推測は可能ですが、正確性にかけるため表示は控えさせていただきます)。

    店舗数は順調に右肩上がりしており、特に近年の伸び率は高く、勢いがあることがわかります。スギ薬局は愛知県に最も多く店舗を構えており、次いで大阪府と続きます。首都圏にも店舗を数多く構えており、東京都と埼玉県にそれぞれ100店舗以上展開しています。

    調剤併設店にも注力しており、併設率も79%に達しています。調剤は利益率が高いため、今後も中核事業として力を入れていく方針とのことです。

    スギ薬局の特徴

    トータルヘルスケア戦略~調剤併設が鍵~

    スギ薬局が経営戦略の柱として掲げているのがトータルヘルスケア戦略です

    トータルヘルスケア戦略とは、ドラッグストアを中心に据えて、治療はもちろん、健康の維持や病気の予防、看護、介護、終末期医療までを想定した、生活者のヘルスケアに関与するサービスや商品をトータルで提供するというものです。

    トータルヘルスケア戦略の実現化のために中心事業として取り組んでいるのが調剤事業であり、そのため調剤併設のドラッグストアを続々と増やし、また薬剤師を積極的に採用しています。

    また、在宅医療にも積極的に対応しており、ドラッグストアの4割を超える店舗において在宅医療を実施しています。

    さらに2019年度は名古屋大学付属病院の敷地内に薬局を開設しています。これは、スギ薬局において初の取り組みであり、単に処方箋の枚数を増やすだけでなく、抗がん剤などの副作用対応などの支援ができるための高度薬学管理機能構築を目的にしたものです。

    全国に展開するドラッグストアを生かして遠方から通院する患者様を地元でサポートすること、また各店舗で収集した患者様の情報を敷地内薬局で集約して医師に提供することなど、よりよい医療のための病院ードラッグストア連携の仕組みづくりも視野に入れたものです。

    調剤の機械化への積極的な投資

    調剤業務をトータルヘルスケア戦略の中心基盤としているため、調剤への投資に非常に積極的に取り組んでいます。

    電子薬歴はもちろんのこと、電子お薬手帳も実施されており既に17万人以上が利用しています。

    さらに2019年2月末にはピッキング支援機器が全店に導入され、薬剤の調整に関して「安全・安心・素早く」の実現を可能としました。

    今後も投資を積極的に行う予定であり、「散剤の監査機器」「繰り返し調剤を行うロボット」の導入を実施し、薬剤師の活躍領域の拡大(予防面でのサポートなど)に取り組んでいます。

    食品・化粧品で差別化をはかり、来店客数の増加~現在の対策~

    スギ薬局も他のドラッグストア企業と同様に、地域に応じて商品構成の比率変えを行っています。

    首都圏では都市型店舗として調剤を中心に雑貨や飲料、食料品、コンビニ商材、化粧品を積極的に展開する一方で、地方では郊外型店舗として精製食品を扱ったりしています。なかでもスギ薬局の特徴は、商品構成に合わせて店舗の内装を劇的に変更している点です。

    2019年4月にJR原宿駅前に出店した店舗では、女子中高生とインバウンドの訪日客をターゲットにプチプラコスメを中心とするコスメ商品を充実させ、内装もドラッグストアとは思えない華やかな店舗として注目を集めました。

    予防・健康維持のためのアプリ開発~未来への投資~

    健康維持のために業務資本提携しているメドビアと共に、療養食宅配の「スギサポdeli」、食事を記録する「スギサポeats」、歩数を記録する「スギサポWalk」の3つのアプリを開発し、健康維持の支援を行っています

    特に「スギサポWalk」はサービスリリースから半年で45万人がダウンロードし、現在では50万人を超えています。さらに、デイリーアクティブユーザーも3割を超えており、ドラッグストアが開発したとは思えない人気のアプリケーションへ成長しています。

    他にも、「来店するだけでマイルが貯まるシステム」や、健康診断の結果から病気の発症リスクを算出して行動変容を促すための「メタボリスクレポートの販売」など、健康医療に精力的に取り組んでいます。

    まとめ

    スギ薬局は、トータルヘルスケア戦略で予防医療から治療、そして終末期までを網羅的に展開し、あらゆるステージで患者と繋がるビジネスモデルの構築を設計しています。

    その実現のため、高い利益構造を可能とする調剤併設ドラッグストアの展開に積極的であり、また最新機器やアプリケーションなどにも積極的に投資しています。

    中長期的な視点に基づき磐石な経営がなされているため、今後も安定した経営が続くと予想されます。

    「調剤とドラッグストアの両方を経験したい」、「ミスが怖いため、機械による支援がほしい」といった要望や願望のある薬剤師の方に、スギ薬局はオススメと言えます。

    スギ薬局のまとめ
    • 2019年度ドラッグストア業界5位の売上高
    • 調剤事業をメインに据えたトータルヘルスケア戦略の展開
    • 調剤併設店の積極的拡大
    • ピッキング支援機器等、設備投資に積極的
    • 予防のためのアプリも開発。「スギサポWalk」は50万ダウンロードを超える

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