企業研究

    マツモトキヨシHD|企業研究

    2019年度、マツモトキヨシHD(以下、マツモトキヨシ)は売上高ベースで業界4位に位置しました。

    高品質のプライベートブランド開発、インバウンドへの対応、デジタルマーケティングを柱に業界トップクラスの経営を実施しています。

    本記事ではマツモトキヨシの現状や特徴についてまとめます。

    マツモトキヨシの現状

    マツモトキヨシの2019年の決算の売上高は5759億円でした。

    2016年までは、堅調に右肩上がりで増益していますが、2016年から2019年にかけてはやや横ばい、年によっては前年度比マイナスになっています。

    セグメント別に見ると、医薬品が1762億円、化粧品が2277億円、日用雑貨品が977億円、食料品が518億円でした。

    セグメント別売上高について、日用雑貨と食品は前年度比マイナスの年もありますが、いずれも、おおむね堅調です。注目すべきは化粧品の割合で、ドラッグストア業界において強みをもっています。

    この背景には、都内の狭い敷地で豊富なラインナップがおけない中、店舗としての魅力を上げるためマツモトキヨシは化粧品などに注力しており、インバウンド需要が高まった際に更に重点化したというものがあります。

    店舗数はフランチャイズ込の値ですが、順調に右肩上がりしており、拡大の途上にあります。なお、マツモトキヨシは東京都に最も多く店舗を構えており、次いで千葉県、埼玉県、神奈川県というように、首都圏に多く店舗を構えています

    また、駅前の店舗が多い為、小スペースで魅力的な商品を展開することに長けています

    2021年10月に経営統合予定のココカラファインは東京都に最も多く店舗を構えていますが、次いで大阪府、愛知県、兵庫県、山口県というように、関西地区に強みを持つ企業です。

    したがって、マツモトキヨシとココカラファインが経営統合すれば関東関西において大きな勢力を持つメガドラッグストアの誕生ということになります。

    マツモトキヨシの特徴

    高品質なプライベートブランド

    マツモトキヨシはプライベートブランドに力を入れており、特に化粧品を重点的に強化しています。

    海外店舗、例えばベトナムなどでは、マツキヨのプライベートブランドはドラッグストアのブランド品ではなく、化粧品の一ブランドとして扱われています

    なかでも本格オーガニックコスメブランド「アルジェラン」は非常に人気であり、カラーリップは生産が追い付かないほど売れています。

    2021年に経営統合予定のココカラファインがスギHDではなく、マツモトキヨシを選んだ理由の一つが、プライベートブランドの開発能力であったと言われています。

    そのような背景もあり、マツモトキヨシの社長、松本社長はプライベートブランドの品質と価値を追求し続けると述べています。

    化粧品以外にも管理栄養士が考えたチョコレート風キャロブミルク(カカオアレルギーの方のチョコレートが食べたいというニーズに応えるために、健康食品のキャロブを使ってチョコレート風に仕上げた商品)など、健康に配慮した高品質な食品などにも注力しており、高い品気を誇っています。

    インバウンド需要に訴求

    マツモトキヨシは世間が一般的にインバウンドに注目する前から、海外旅行客の消費に着目をして色々な施策を打っており、ドラッグストア業界のインバウンド先駆者と言われています。

    興味深いことは、旅行客の「訪日前」「訪日中」「訪日後」のそれぞれのステージにおいて、顧客にアプローチを行っていることです。

    訪日前のお客さんに対しては「WeChat」「微博」「Facebook」など各国で人気のSNSサービスを用いて、日本で使えるクーポンの配布などを行って顧客との接点をつくり、マツモトキヨシの利用を呼びかけています。

    訪日中の観光客へのアプローチとしては、外国人のパスポートデータと購買データを組み合わせて、どの立地でどの国のお客さんがどのような商品を買うのか、というデータ分析に基づいて効果的な販促を行っています。

    例えば浅草の店舗では200mしか離れていないにもかかわらず、旅行客の中国層と台湾層の比率が異なる点から、医薬品が多い店舗と化粧品が多い店舗というように変化をつけています

    そして、訪日後は越境ECを始めとして、帰国後も台湾やタイにおけるマツモトキヨシ店舗での購買活動の推進などの販売戦略を展開しています。

    デジタルデータを積極活用したマーケティング

    マツモトキヨシの重点戦略の一つに、「利益につながるデジタルマーケティングの推進」があります

    デジタルマーケティングを進める上で重要な点となる顧客接点数ですが、マツモトキヨシでは、ポイントカード会員LINE友達、公式アプリのダウンロード、SNSフォロワー数などを通じて約6000万に及ぶ接点数が築かれています

    この膨大な顧客との接点数より得られた、顧客の真の意見を反映したデータを元に立地条件に合わせた顧客の趣向を判断し、無駄のない売上を実現しています。

    まとめ

    マツモトキヨシの強みはプライベートブランドを中心にした利益率の高い商品を開発する力、そしてデジタルデータを元に国内外の顧客に対して効果的に商品を販売するマーケティング力の2軸にあります。

    ココカラファインとの経営統合により社風や経営戦略は変化する可能性はありますが、これらのマツモトキヨシの強みはそのまま生かされるものと思います。

    現在は売上高4位ですが、両社が経営統合すれば2位以下のスギ薬局を大きく突き放した、業界第1位の売上高を誇るメガドラッグストアが誕生します。

    今後も日本を代表する、ドラッグストア企業であり続けることは間違いないと思われます。

    2020年4月|新型コロナウイルスの影響で売上費マイナスへ

    新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、連日マスクやトイレットペーパーの買い占めが起きるほどドラッグストアに客が殺到しています。

    その様な非常事態の中、マツモトキヨシの売り上げは上昇したかというと、3月における前年度比売上は8.3パーセントマイナスとなりました。

    マツモトキヨシの強みは上述したように、インバウンド需要にあります。

    しかしながら3月の訪日観光客数が前年度比93%マイナスとなった2020年においては、インバウンド向けの化粧品の売上は大きく下がり、売上マイナスにつながったものと考えられます。

    新型コロナウイルスの影響がどこまで長期化するかは誰もわかりませんが、マツモトキヨシの強みであった点がマイナスに働いてしまったのが、2020年3月の出来事です。

    マツモトキヨシは海外にも店舗を構えているため、自粛ムードが緩和されれば、押さえ込んでいた欲求が解放されて、日本も含めて現地での消費が大きくなることが予想されます。

    もともとのビジネスが悪いのではなく、ウイルスという外的要因による売り上げマイナスのため、新型コロナウイルスの影響が小さくなれば、マツモトキヨシの売上は再び大きく上昇に転換すると予想されます。

    マツモトキヨシのまとめ
    • 2019年度ドラッグストア業界4位の売上高
    • 化粧品と食料品に注力した高品質プライベートブランド
    • 訪日前から訪日後まで対応したインバウンドフォロー
    • 約6000万の顧客接点数より得られたデータを元にしたデジタルマーケティング

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