企業研究

    ウエルシアHD|企業研究

    2019年度、ウエルシアホールディング(HD)は売上高ベースで業界2位に位置しました。

    調剤薬局併設型店舗の拡大、24時間営業店の拡大、自社のプライベートブランド(PB)の創生を進め、堅調に2018年から業績を伸ばしました。

    本記事ではウエルシアHDの現状や特徴についてまとめます。

    ウエルシアHDの現状

    ウエルシアホールディングの2019年の決算の売上高は7791億円でした。

    セグメント別に見ると、医薬品が1637億円、調剤が1298億円、化粧品が1362億円、日用雑貨品が1166億円、食料品が1729億円でした。

    売上高については、同業他社であるドラッグストアチェーン店のシミズ薬品や化粧品専門チェーン店のMASAYA等の買収を積極的に行ったことが関与しており、ここ5年で著しく上昇しています。

    セグメント別売上高について、いずれの内訳も右肩上がりで伸びており、医薬品および調剤だけでなく、化粧品、日用雑貨、食品のいずれにおいても注力している様子が認められます。

    一方で、売上高営業利益率は2016年を除いてほぼ横ばいです。

    買収、特に他業界の企業買収を行うと統合にコストを要するため利益率が低下しやすいのですが、その様子があまり認められないことから買収はうまくいっているものと予想されます。

    店舗数も順調に右肩上がりしており、調剤併設率も70%越えを目前に控えています。

    なお、あまり知られていませんが、ウエルシアHDはイオンの子会社であり、同じくイオンと資本提携関係にある「ツルハHD」と「くすりのあおきHD」とは資本の上では兄弟関係にあります。


    (*イオンはウエルシアHDの株の50%以上保有)

    現段階では、ツルハHDと経営統合するなどの話は出ていませんが、マツキヨとココカラファインの経営統合が決まり、巨大ドラッグストア誕生が間近に迫っています。

    2019年度の業界4位のマツモトキヨシHDと7位のココカラファインの統合企業に立ち向かえ、プランとして現実的なのは、イオンでつながっている業界1位のツルハHDと2位のウエルシアHDということで非常に注目が集まっています。

    ウエルシアHDの特徴

    「ウエルシアモデル(ドラッグ&調剤・カウンセリング営業・深夜営業・介護)」

    ウエルシアHDは、「ドラッグ&調剤」「カウンセリング営業」「深夜営業」「介護」をサービスの軸とする「ウエルシアモデル」を展開しています。

    中でも業界内において評価が高いのが調剤薬局の併設率です。M&Aにより一時的に併設率が減少することもありましたが、基本的に調剤薬局の併設率70%近くを維持しており、ウェルシアHDの安定的な売り上げに貢献しています。

    24時間営業は一見するとコストを逼迫しているように見えますが、地域住民からのニーズが高く固定客の獲得に繋がっています。

    また、カウンセリング営業においても評価が高く、薬剤師の育成教育にも余念がありません。新卒の薬剤師には階層別の専門教育を実施し、着実に薬の知識と接客の知識を身に付けるプログラムが用意されています。

    中途採用の社員には、その方に合ったレベルのプログラムを展開し、ウエルシアHDの薬剤師として活躍できるように教育を実施しています。

    専門知識はもちろん、対人業務の強化に向けたコミュニケーション能力向上のセミナーを定期的に実施しており、お客様から高い評判を得られるカウンセリング営業の実現を可能としています。

    *社員研修の参考マップ

    地域密着|お客様のためのなんでも屋

    セグメント別売上高で記載した通り、ウエルシアHDは化粧品日用雑貨品、食料品においても高い売上高を誇っています。

    中でも食料品は競合他社から高い評価を得ており、その理由は粗利率の高さにあります。

    一般的なドラッグストアの食料品の粗利率は約15%ほどですが、ウエルシアHDは20%以上を継続的にキープしています。

    この秘訣について、集客だけを目的とした過度な値下げを行わない、店舗内の配置を熟考して売り場を構築している、廃棄処分対象となりやすい生肉や野菜は本格的に扱わず冷凍食品やカット野菜に力を入れる、などといった工夫をしているからと松本社長は述べています。

    幅広い分野を取り扱うことや、24時間営業フリースペースである「ウエルカフェ」(*)の設置など、お客様のニーズに応えた結果、コストが高くなりがちなのがウエルシアHDの長年の課題でした。

    そのため、食料品一つをとっても粗利を上げるための様々な工夫がなされているのがウエルシアHDの特徴です。

    *ウェルカフェとは

    「地域包括ケアシステム」に根ざした、ウエルシア薬局が提供する地域協働のコミュニティスペース。コンセプトは地域の皆様の「井戸端会議の場」であり、ウエルシア薬局や行政などからの「情報発信の場」として健康リテラシーの向上をはかる。営利を目的とせず、地域住民の自由な場として全国に展開中。

    詳細はこちら→ウエルカフェとは(ウエルシア公式HP)

    高級化粧品を強化

    ウエルシアHDは2018年12月1日付で化粧品専門店チェーンMASAYAの株式を取得し、子会社化しました。

    これによってドラッグストアでは今まで取り扱えなかったラグジュアリーコスメを扱う業態を手に入れました

    さらに、MASAYAの買収から3ヶ月後に、ラグジュアリーコスメセレクトショップである「NARCIS(ナルシス)」を出店しました。

    MASAYAが国内ブランドをカバーするものに対し、NARCISは海外ブランドを広くカバーした店舗です。

    これにより、ウェルシアHDは低価格から中価格帯のドラッグコスメ、国内大手メーカーの高価格帯ブランドのMASAYA、そして外資大手メーカーの高価格帯ブランドのNARCISを展開することになり、化粧品における全価格帯を扱う事業体の構築に成功しました。

    まとめ

    ウエルシアHDでは、地域のお客様の健康と豊かな社会生活を支援するための様々な工夫がなされており、今後もドラッグストア業界では、大きなポジションを占めるものと予想されます。

    「ドラッグストアで安定して数十年働きたい」といった方には、ウエルシアHDはおすすめと考えられます。唯一の懸念点としては、ツルハHDとのM&Aの可能性についてですが薬剤師を大切にする文化は両社とも共通なので、大きな心配は不要ではないかと思います。

    ウエルシアHDのまとめ
    • 2019年度ドラッグストア業界2位の売上高
    • イオンと資本提携関係(ツルハ、クスリのアオキとも間接的につながっている)
    • ウエルシアモデル(ドラッグ&調剤・カウンセリング営業・深夜営業・介護)の展開
    • 低~高価格帯、国内・国外を網羅した、化粧品の全方位展開
    • 薬剤師教育に余念なし

    薬剤師転職サイトランキング【2020年最新比較】 本記事の内容 約5分で読み終わります。やや長いですが、薬剤師転職のおすすめサイトから転職サイトの利用法まで本記事のみで...

     

    COMMENT

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です