働き方(研究者)

    CRO企業で働くビジネスマンインタビュー#1「サイネオス・ヘルス・クリニカル(モニター)」

    CRO企業で働くビジネスマン/ビジネスウーマンインタビュー第1弾
    サイネオス・ヘルス・クリニカル株式会社でCRA(モニター)として勤務する畑山さん(男性)にインタビューしました。

    白衣
    白衣
    白衣:当サイトの運営者
    畑山さん: サイネオス・ヘルス・クリニカル株式会社勤務。CRA(モニター)として勤務

    0. 勤務年数は? 年収は??

    白衣
    早速ですが、畑山さんの現在の勤務年数などについて教えていただけますか?

    畑山
    勤務先はサイネオス・ヘルス・クリニカル株式会社でCRA(モニター)として勤務しています。
    勤務年数は現在4年目で30歳です。
    年収は800-1000万円です。

    1. 仕事内容について

    白衣
    出社してから帰るまでの1日の流れはどのようなものですか?

    畑山
    勤務は大きく内勤と外勤に分かれ、それぞれ以下のような感じです。

    【内勤日】
    9:15 出社、メールや1日のタスク確認
    10:00 各担当施設への必要事項の連絡
    12:30 ランチ
    13:30 EDC*の入力データ確認
    15:00 チーム内トラッキングツールの更新
    16:00 チームミーティング
    17:00 モニタリング報告書の作成
    19:00 帰宅

    【外勤日】
    9:00 担当施設への訪問、SDV**の開始
    12:00 ランチ
    13:00 SDV
    15:00 責任医師との面会
    16:00 CRCへのフィードバック
    17:00 帰宅

    *:Electronic Data Capture.インターネットを使い電子的に臨床データを収集すること
    **:Source Date Verification. 医療機関が保存するカルテなどの原資料を直接閲覧することなど

    白衣
    業務内容について、もう少し具体的にお聞きしてもよろしいですか?

    畑山
    まず、新薬候補物を素早く確実に医薬品とするために、候補物が対象とする疾患に対して実績のある病院や、治験システムが整っている病院を選定します。選定先が決まったら実際のシステムの立ち上げの実施、治験モニタリングを行います。治験の全プロジェクトが終了したら、クローズアウトフェーズとしてデータを回収及び整備を行います。

    各段階で行う具体的なことは、次のとおりです。

    【施設選定フェーズ】
    ・施設候補のリストアップ
    ・施設候補への連絡、調査アンケートの送付
    ・施設候補の絞り込み、最終候補リストの作成
    ・選定施設の最終化

    【施設の立ち上げフェーズ】
    ・選定施設への訪問
    ・チェックリストに従った施設へのヒアリング
    ・初回IRBに向けた必須文書の作成、収集
    ・施設選定報告書の作成
    ・スタートアップミーティングの実施

    【モニタリングフェーズ】
    ・訪問前の入力データ確認
    ・IRBへの変更申請、安全性報告に必要な資料の作成
    ・担当施設でのSDVの実施(カルテデータ、EDCデータおよび保管必須文書の確認)
    ・責任医師、薬剤部、CRC等との面会(必須事項の伝達・依頼)
    ・モニタリング報告書の作成

    【クローズアウトフェーズ】
    ・EDCデータの最終化
    ・必須文書の整備
    ・終了報告書の提出

    白衣
    続いて、仕事のやりがいや困ることについてお聞きしたいのですが、いかがでしょうか?

    畑山
    現場である医療機関と接する機会の最も多い職種であるため、患者さんのことをより意識して医薬品開発に携われるのは非常にやりがいがあると感じています。

    また、薬学、生物学的知識のみならず、医学的知識も現場から吸収することができ、学生時代に学んできたことが全く無駄にならずに、より実践的に洗練されていくのはとても嬉しいです。

    一方で、製薬会社と医療機関との板挟みになることも多く、特に医療機関側の不満を受けやすい立場であるため、大変なことも少なくないというのが実情です。

    ただ、両者を上手くコントロールする交渉能力は社会人として重要なスキルですし、プレゼンテーションスキル、医師とディスカッションできるレベルの論理的思考力、データのチェックスキル、英語力等なども決して無駄にならないスキルですので、私のような自身をアップデートさせたい人には大変なことであっても困ることではないですね。

    2. 志望動機、御社の特徴・課題は?

    白衣
    なぜ御社を選ばれたのですか?
    また、なぜ今の職種を選ばれたのですか?

    畑山
    自社を選んだ理由は大きく3つあります。

    1つ目は外資系CROの中でも日本でCROビジネスを開始してからの歴が浅く、ベンチャーマインドで会社の拡大に寄与できると考えたからです。

    2つ目は外資系であり、国際共同治験しか受託しておらず、英語を使う機会が必然的に多いと考えたからです。実際、上司はインド人やオーストラリア人であったこともあり、モニターレベルでも日常的に英語を使用する機会がありました。

    3つ目は、外資系CROの中でも給与水準が高かったからです。CRO業界はどうしても製薬企業に比べて給与水準が低い傾向にありますが、グローバルトップ3に入る企業規模ということもあり、製薬企業に引けを取らない給与水準であったことは選択理由として大きいです。

    CRAを選択した理由は大きく2つあり、1つ目は要求されるスキルが多く成長機会に恵まれていると思ったからです。

    2つ目は医薬品開発のキャリアパスを考えたときに、ある程度全体を俯瞰できあらゆる職種のベースとなるため、キャリアとして展開しやすいからです。

    白衣
    それでは、御社の自慢できることや他社にない特長は何だと思われますか?

    畑山
    CROビジネスに加えてCSO*ビジネスも展開しており、医薬品開発から上市後までフルサービスでクライアントに価値を提供できる点だと考えています。

    また、最近では受託・派遣ビジネスに加えて、リアルワールドデータを扱う部署を設立したり、コンサルティングビジネス等も展開しており、ヘルスケアの総合サービスプロバイダーとして、時代の変化に合わせて高品質な価値をクライアントに提供し続けている点も魅力的だと思います。

    日本支社としての展開はまだまだこれからですが、CROとしては世界2位の規模であり将来性は十分あると考えられます。

    *:Contract Sales Organization. 製薬会社にMRを派遣したり、医薬品の営業・マーケティング活動のアウトソーシングサービスを提供したりすること

    白衣
    では一方で御社が力を入れていることと課題としていることは何ですか?

    畑山
    どのCROでもやっていることかもしれませんが、英語力向上には力を入れており、語学研修が充実しています。また、最近は英語学習以外の社員研修にも力を入れており、色々と充実してきたように感じます。

    一方、課題としては、旧INCと旧inVentivの合併によるシナジーが創出できておらず、ユニット制の縦割り組織で交流がほとんどなく別会社のようになっている点が挙げられます。
    また、グローバルレベルでの案件受注に甘んじて日本支社としてのBusiness Developmentに積極的でない印象があるのも課題だと思います。

    白衣
    それでは、次の質問に移らせていただきます。御社の社風はどのような感じですか?

    畑山
    風通しが良く、自由ですね。そのため、自分で意思決定しながら業務を進めたい人にとっては働きやすく、実際そうしたタイプの人が多いように感じられます。基本的にはベンチャー企業だというイメージを持つとイメージしやすいと思います。

    業界未経験であっても、先輩社員に教わりつつ1年目から受身にならず自分の意見を持って発言していく姿勢が必要であり、そうした意欲や積極性のある人が現在も活躍しています。

    ただし、どの会社でもそうですが、アサインされたプロジェクトによっても雰囲気は大きく異なるので留意する必要がありますね。

    4.業界の課題・将来性は?

    白衣
    業界の課題や将来性についてどのように思われていますか?

    畑山
    製薬業界全体として、医薬品開発の難易度が上昇する中で、製薬各社ともアウトソーシングによるコスト削減を進める流れとなっているため、CRO業界の需要はますます高まっていくものと考えています。

    一方で、日本の臨床開発市場で考えると、規制面のハードルの高さや症例登録の遅さから、ICH-E17ガイドラインによる他アジア諸国での治験環境整備も相まって日本は「治験しづらい国」として敬遠される危険性があります。そのため、製薬業界全体として、日本を魅力的な臨床開発市場とするための改革を推し進める必要があると考えます。

    また、リアルワールドデータ活用やバーチャル治験等を活用した効率化も進みつつあるため、単なるリソースプロバイダーに留まることなく、CROも時代に合わせてビジネスモデルの変革、拡大をしていく必要があると考えます。

    5.もう一度新卒就活出来たらどうする?

    白衣
    今一度、新卒での就職活動をするとした場合、どのような業界・職種を選択されますか?

    畑山
    同様に製薬業界で臨床開発職を選択していると思います。少なくとも自分はこの仕事に適性があり、天職だと思っています。医薬品開発のダイナミクスの中で、製薬企業や医師とディスカッションしながら治験を進めていくやりがいは他になく、魅力的です。

    一般的に製薬会社の方が担当できる業務の幅が広く、キャリアパスや将来性を考えても魅力的という風潮があり、自分も製薬会社に行きたいという思いもなくはないですが、スペシャリストとしてモニタリングを極めたり、プロジェクトマネージャーとしてCRO内で出世していくキャリアも非常に面白みがあると考えます。

    白衣
    薬剤師免許をお持ちではないですが、持っていないことで感じるデメリットなどありますか?

    畑山

    薬剤師免許を持つことのメリットは、特に外資系企業においては肩書として記載でき、出世に有利に働く可能性があると一般的に言われています。

    一方、少なくとも臨床開発職においては、薬剤師免許を持つことによるデメリットは基本的にないと思います。

    色々言われていますが、実際のところ薬剤師免許を持っていなくとも特に業務やキャリアに不都合が生じたことはありませんね。

    いずれにせよ、免許の有無はそれほど重要ではなく、入社後に努力することの方が余程重要だと思います。

    6. 福利厚生は? 産休・育休は??

    白衣
    畑山さんは御社の福利厚生制度に満足していますか?
    また産休・育休は取れる環境ですか?

    畑山

    福利厚生という点ではあまり満足はしていません。製薬会社や内資CROに比べると、家賃補助等がない分見劣りするが、その分を給与水準でカバーしている形ですね。

    良い制度を挙げるとすれば、確定拠出型年金は給与からの天引きではなく、給与に上乗せして支給される形となっている点です。

    社員に女性も多く、女性は産休・育休は取りやすいといえますが、男性の育休制度は整備されていないため取りやすいとは言えなません。加えて、プロジェクトのフェーズによって繁閑の差が激しい仕事であるため、立ち上げで忙しい時期は有給を含め、育休、産休も取りやすいとは言えません。

    白衣
    白衣
    畑山さん、本日はお忙しい中ありがとうございました。以上で、「CRO企業で働くビジネスマンインタビュー」の第1弾を終えたいと思います。今後もよろしくお願いします!

    #1 サイネオス・ヘルス・クリニカルのまとめ
    • 30歳、勤務年数4年目、年収800-1000万円、モニター
    • 医薬品候補物の対象疾患に対して実績のある病院や、治験システムが整っている病院を選定
    • システムの立ち上げの実施、治験モニタリング、データの整備を実施
    • 薬学、生物学的知識のみならず、医学的知識も現場から吸収することができる
    • 国際共同治験しか受託しておらず、英語を使う機会が多い
    • ベンチャーマインドな社風
    • 産休育休は取得可能。男性は雰囲気として難しい

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