働き方(研究者)

    現場で働く研究者さんインタビュー#7「東和薬品(ジェネリック・有機合成)」

    現場で働く研究者さんインタビュー第7弾
    東和薬品で有機合成の研究者として勤務する加賀美さん(男性)にインタビューしました。

    白衣
    白衣
    白衣:当サイトの運営者
    加賀美さん: 東和薬品勤務。ジェネリック研究専門で有機化学の研究者さん

    0. 勤務年数は? 年収は??

    白衣
    早速ですが、加賀美さんの現在の勤務年数などについて教えていただけますか?

    加賀美
    勤務先は東和薬品でジェネリック医薬品の有機合成研究者として勤務しています。
    勤務年数は現在4年目で28歳です。
    年収は400-500万円です。

    1. 仕事内容について

    白衣
    出社してから帰るまでの1日の流れはどのようなものですか?

    加賀美
    1日の主な流れは以下の通りです。

    8時40分 出社
    8時50分~ 朝礼
    9時~ ミーティング(進捗報告などを行う)
    10時~ 実験(反応をかけたり、得られたサンプルについてデータ解析をする)
    12時~13時 昼休憩
    13時~ 実験、データ整理、考察(得られたデータをもとにエクセルなどにデータをまとめ考察する)
    16時~ 実験結果についてディスカッション(上司や先輩とのディスカッション)
    17時~ 翌日の実験の準備
    17時50分 帰宅(実験内容によってはこの後残業)

    白衣
    やはり企業の研究者の方はミーティングが多いんですね~
    大学で好き勝手やっている身からするととても大変そうに見えます笑

    業務内容について、もう少し具体的にお聞きしてもよろしいですか?

    加賀美
    弊社はジェネリックメーカーでは珍しく原薬の製造を行っています。
    低コストで高純度の原薬を製造するため、また国内製造で医薬品の安定供給をするため、従来の原薬の製法とは異なる合成法で原薬を製造することに注力しています。

    私は原薬製造の中でも原薬のスケールアップ開発に関わっています。
    実験室では数百mg~数十gスケールの反応をかけますが、数十~数百kgスケールの反応釜で反応させると同じように反応が進むとは限りません。その問題を解決し、低コストで高純度の原薬を安定的に供給できるように研究しています。

    白衣
    原薬製造から行われているとは知りませんでした。他社との差別化として大きなポイントですね!
    続いて、仕事のやりがいについてお聞きしたいのですが、いかがでしょうか?

    加賀美
    仕事のやりがいは自分で研究開発した原薬が医薬品として販売されるようになった時の喜びだと聞いています。

    残念ながら私は配属されてから4年目ということもあり、まだ、自身が開発した医薬品が商用として販売されたことはありません。しかし、先輩や上司から聞いた喜びを体験するために日々仕事に取り組んでいます。

    白衣
    簡単には上手くいかない世界ですから難しいですよね。頑張ってください!
    困ったことなどは、いかがでしょうか?

    仕事で困ることは原薬としての承認や製造する設備など、いろいろなことを知らないとスムーズに仕事ができないことです。

    原薬製造や申請承認には多くの人が関わっています。その中で自身が開発しようとしている原薬が販売されるためには全てのことを知り、その人たちに協力してもらう必要があります。

    私は経験が浅いため、まだすべてのことは理解できていませんが、スムーズに仕事ができるように日々意欲をもって勉強しています。

    2. 志望動機、御社の特徴・課題は?

    白衣
    なぜ御社を選ばれたのですか?
    また、なぜ今の職種を選ばれたのですか?

    加賀美
    弊社に入社した理由は正直なところ教授推薦です。
    大学院生の時は薬学部で、有機化学を専攻していました。そのため、私は製薬会社の有機化学が生かせる仕事を希望していましたが、医薬品先発メーカーは高学歴の博士号を持っている人しか採用しないという状態でした。

    その中で、所属していた研究室の教授から弊社で働かないかという推薦を受けました。ジェネリックメーカーで有機化学を生かせるというイメージはありませんでしたが、製薬会社であることやせっかくの教授からの推薦であったことから面接を受けて無事入社することになりました。

    職種については新卒の総合職で入社したため、人事部の方で配属するよう命じられました。
    しかし、自身が希望した部署であったため安心しました。

    白衣
    それでは、御社の自慢できることや他社にない特長は何だと思われますか?

    加賀美
    弊社の最大の特長は研究開発に力を入れていることです。

    弊社は国内三大ジェネリックメーカーの1つですが、薬価削減などを背景にほかの2社は安価原薬の入手・海外進出を行っています。しかし、弊社は国内のジェネリック市場でも打ち勝つために研究開発に力を入れています。

    代表的なものはRACTAB(ラクタブ)技術です(参照:東和薬品解説HP)。錠剤を口に含むと溶けだすため、飲み込む必要がなく、高齢者の方でも服用しやすい錠剤となっています。このほか苦みを完全に抑える技術も開発しており、他社との差別化を図ろうとしています。

    現在も新規技術の開発を経営の柱として日々努力しています。

    白衣
    これはすごいですね!! 実に実用性に富んでいいて非常に面白いです!!
    高齢の方は嚥下に不自由な方もいますから高齢社会が進むと更に需要が高まりそうですね!

    では一方で御社が力を入れていることと課題としていることは何ですか?

    加賀美
    弊社が力を入れていることは新規技術の開発と海外進出です。
    新規技術については先述したとおり他社との差別化を図るために力を入れています。

    海外進出については2019年末に弊社が欧州のジェネリックメーカーを買収したことを発表しました。そのため、今後は弊社の技術力が世界に通用するのか確認するための準備に現在力を入れています。

    弊社の課題は従業員にグローバルの意識が足りないことです。最近、グローバル化することを発表したため、従業員がそれに対応できるように意識を変える必要があるのではと感じています。

    白衣
    加賀美さんが御社で働く理由は何ですか?

    加賀美
    私が弊社で働く理由は、私が学生の時に勉強したことが生かせるのは弊社・この業界でしかないと感じているからです。近年、有機化学で製薬会社の研究職に就くためには博士号を取得することが必須であると言われています。

    そのため、薬学の知識と有機化学の知識を生かすことができるのは現在勤めている会社しかないと考えています。弊社やこの業界でオンリーワンの人材になれるよう、有機化学や製薬業界のことについて勉強しています。

    白衣
    それでは、次の質問に移らせていただきます。御社の社風はどのような感じですか?

    加賀美
    弊社の企業理念は患者様のために貢献することです。
    毎朝、社是を斉唱し、一致団結して業務に臨んでいます。

    弊社はまじめな人が多いと感じています。特に新卒採用ではまじめな人を採用して、業務にまじめに望んでもらおうとしています。

    また、新卒の社員には、入社直後・入社1年半目に人事研修があります。その時も全員まじめにその講習を聞いており、メモを取り、今後そこで学んだことを業務に生かそうとしています。

    4. 製薬業界の課題・将来性は?

    白衣
    業界の課題や将来性についてどのように思われていますか?

    加賀美
    医薬品業界の課題は新薬の開発が困難であることです。
    以前は新規の化合物5000個に対して新薬が1つ出ると言われていましたが、現在は30000個に対して新薬が1個しか出ない状態となっています。そのため、新薬メーカーは現在も厳しい状態です。

    また、医薬品の特許切れで利益をあげているジェネリックメーカーも将来的には厳しくなると言われています。我こそが新薬を見つけ出し、世界に貢献するという研究者がたくさん出てくると将来を不安視する必要はないのかなと思っています。

    5. 福利厚生は? 産休・育休は??

    白衣
    加賀美さんは御社の福利厚生制度に満足していますか?
    また産休・育休は取れる環境ですか?

    加賀美
    弊社の福利厚生には満足しています。福利厚生クラブに加盟しており、加盟店の商品やサービスに対して割引価格で使うことができます。また、入社したばかりの人には借り上げ社宅制度が導入されており、最長で5年間、家賃の7割を会社が負担してくれます。

    さらには働き方改革の影響もあって、有給休暇は非常にとりやすい環境になりました。産休や育休の制度もあり、積極的に取得することを伝えれば、取りやすい環境になっています。

    6. 博士号は必要? 修士で十分??

    白衣
    それでは最後の質問です。これからの製薬企業研究職の就活において、博士は必要とお考えですか?

    加賀美
    就職活動をしたときは修士でした。しかし、教授推薦で入社が決まったため、修士が有利であったか不利であったかはわかりません。しかし、有機化学の知識を用いて新薬開発に貢献しようとすると博士号は必須であると考えています。

    博士号を取得している方はしっかりと勉強されている方ばかりですし、現在の学術研究についてもよく知っています。そのような人でないと新薬を開発することは困難ではないかと思われます。

    修士であっても新薬開発に貢献できるとは思いますが、サポートであったり、申請承認業務を行うことになると思います。花形の研究職に就きたいのならば、博士号は取得するべきです。

    白衣
    白衣
    加賀美さん、本日はお忙しい中ありがとうございました。以上で、「現場で働く研究者さんインタビュー」の第7弾を終えたいと思います。今後もよろしくお願いします!

    #7 東和薬品のまとめ
    • 28歳、勤務年数4年目、年収400-500万円、有機合成研究
    • 原薬製造の中でも原薬のスケールアップ研究に従事
    • ジェネリックメーカーでは珍しく原薬の製造から実施
    • 原薬としての承認や製造する設備など多様なことを知らないとスムーズに仕事ができない
    • RACTAB(ラクタブ)技術をはじめ研究開発に注力
    • 欧州のジェネリックメーカーを買収。グローバル化が進む
    • 有給、産休、育休は容易に取得可能。最長で5年間、家賃の7割を会社が負担
    • 博士号取得者は多い。昇進目指すならば欲しい。

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