体験談

    現場で働く薬剤師さんインタビュー#14「北海道札幌市の某総合病院」

    現場で働く薬剤師さんインタビュー第14弾
    北海道札幌市の某総合病院で病院薬剤師として勤務する松崎さん(男性)にインタビューしました。

    白衣
    白衣
    白衣:当サイトの運営者
    松崎さん: 北海道札幌市の某総合病院勤務。病院薬剤師さん

    白衣
    早速ですが、松崎さんの現在の勤務年数などについて教えていただけますか?

    松崎
    勤務先は北海道札幌市の某総合病院で病院薬剤師として勤務しています。
    勤務年数は現在3年目で28歳です。
    年収は300-400万円です。

    1. 仕事内容について

    白衣
    出社してから帰るまでの1日の流れはどのようなものですか?

    松崎
    業務開始は8時半です。
    薬剤師・助手全員でその日の予定や連絡事項を確認しあい、業務に向かいます。24時間体制の病院のため、調剤室・注射薬調剤室など各部門での当直者からの引き継ぎを受けてその日の業務を開始します。

    休憩は12時から13時くらいの間に交代で取ります。年数が上がってくると病棟での薬剤師業務を任されるので、朝から病棟へ向かったり、調剤や注射を調剤するシフトに入ったりすることがあります。

    定時は17時10分で、各部門ごとリーダーの指示で集まり、業務終了の挨拶をして帰ります。毎月必ずメーカーによる新薬の紹介や勉強会がその後行われます。

    白衣
    業務内容についてもう少し掘り下げて教えていただけますか?

    松崎
    入院患者さんの薬を準備します。
    総合病院なので、小児科から抗がん剤調製、検査薬の補充まであらゆる薬を準備します。処方箋の監査、調剤、最終監査までを全て薬剤師がメインで行い、調剤の部分のみ調剤助手さんと協力して行います。

    病棟では調剤された薬を患者さんの元へ持って行って飲み方や薬の効果を説明したり、新規の入院患者さんがどんな薬を飲んでいるのか、お薬の実物やお薬手帳をもとに鑑別して医師や看護師と継続可否を話し合います。

    そのほか、抗がん剤治療を行う患者さんの元へはオリジナルのスケジュール票を作成し説明を行ったり、TDMをお願いされたり、病棟にある配置薬の期限・本数確認など業務内容は多岐に渡ります。

    白衣
    小児から抗がん剤まで、総合病院ならではの醍醐味ですね。内容が多岐にわたり、総合的に知識が網羅できますね。

    仕事のやりがいや困ることについてお聞きしたいのですが、いかがでしょうか?

    松崎
    医師・看護師・栄養士などあらゆる職種の人がサポートにくるので、その一員として仕事ができることです。

    薬剤師という一つのプロフェッショナルとして患者ケアに関われるのが何よりのやりがいだと思いますし、自分が提案した内容が採択されて患者さんのためになったという実感があると嬉しいです。患者さんからも、薬剤師さんに話してよかったと行ってもらえるととても励みになります。

    困ることは、病棟によっては医師の方が断然キャリアが長く、教科書通りの受け答えでは物足りない、経験や最新の研究データをもとにした考えを提案しなければ取り合ってもらえないことです。勉強すればするほど、知らなくてはいけないことが逆に増えて、日々先輩の教えを請う毎日です。

    2. 志望動機、貴院の特徴・課題は?

    白衣
    なぜ貴院を選ばれたのですか?
    また、なぜ今の職種を選ばれたのですか?

    松崎
    診療科の多さと薬剤師の多さが決めてでした。

    卒業してすぐに入社して、いろいろな診療科を仕事を通して勉強し経験をしっかりと積もうと思ったからです。当直は大変だし、病棟でも苦労したり、そもそもの風邪薬や一次救急としての薬の調剤・使い方でもわからないことがたくさんありましたが、薬剤師がたくさんいる分。後輩への指導にも人数をさいてくださるので当初の期待通り成長できたと思います。

    正直何と無く給料が良さそうだからという理由で薬剤師になりましたが、この経験を通していまは、薬のプロとしてまだまだ色々なことを学び、地域貢献がしたいと思っています。

    白衣
    それでは、御社の自慢できることや他院にない特長は何だと思われますか?

    松崎
    先にも述べた後輩の指導が薬剤部としては充実していると思います。また、病棟でも薬剤師の地位が確立されており、薬剤師と他の医療職の方との交流が積極的に、自然に行われていることが自慢できる部分です。

    研修の機会もたくさん設けていただいているので、各分野の専門薬剤師の資格を取得している人も多く、自分も同じように資格取得を目指したいと思った時、だいたい必ずその分野の先輩がおり情報収集が容易であることも良いところだと思います。

    白衣
    薬剤師外の医療職種との交流が盛んなのは魅力的ですね。意外に上手く言っていないところも多いですからね。専門薬剤師の資格取得に積極的なのも素晴らしいです。

    続いて、貴院が力を入れていることと課題について教えて下さい。

    松崎
    病棟業務、他職種連携でしょうか。

    当院は抗がん剤調製の際に、点滴ルートの準備までもを薬剤部で行う数少ない病院です。看護師さんや患者さんの被曝を最小限にする取り組みですが、まだここまでにいたっている病院は全国でも数パーセント程度と聞いています。それだけ薬剤部が病院の業務に貢献し、病院からそれが認められる信頼関係が確立されているのではと思います。

    業務体制についての課題は残ります。
    当直が薬剤師の体力的な負担になったり、二交代制の看護師さんたちのシフトともどうしてもズレが生じてしまうので、看護師さんが必要な時に薬剤師がいない、薬剤師がもう帰ろうとしているのに仕事を頼まれるなどなど仕事の負担が大きい部分があります。

    3. 職場の雰囲気は?

    白衣
    松崎さんが貴院で働く理由は何ですか?

    松崎
    病院を選んだのは、病院での薬剤師業務がこなせれば基本的に薬局でもドラックストアでもそこまで苦労せずに働けるだろうと思ったからです。

    基本的な薬の注意事項や併用禁忌、腎機能・肝機能に注意が必要な薬などは病院で経験することができたし、患者さんとどう接したら良いか、看護師さんがどんな情報をもとに働いているかを全て知ることができたので、病院での勤務経験はその後のキャリアに大いに役に立つと思います。

    白衣
    続いて、貴院にどのようなタイプの人が多いですか?

    松崎
    各自がプロとして仕事をしています。

    そのため、先輩後輩の関係が厳しく、時にはきつく叱られたり、用紙の補充やインク交換など雑用は後輩の仕事、といったような仕事の住み分けが自然にされていたこともありました。

    その中でも本当に薬剤師としてキャリアを積み一線で活躍されている人たちは、後輩の動きをよく観察し、その人にあった指導方法で優しく、時にはどきりとするように見透かしたように指導してくれます

    どの人にも共通するのは、本気で仕事をしている、というところだと思います。

    4. 医療業界の課題・将来性は?

    白衣
    業界の課題や将来性についてどのように思われていますか?

    松崎
    正直なところ、かなり最先端の仕事を成し遂げている病院だと思います。

    全国的にこのくらいの水準で医療が提供されれば理想だし、薬剤師の地位も向上していくことと思うのですが、そのためにはお金がかかるのも事実ですし、人員がそこまで確保できないという問題もあります。

    しかし、限られた人員の中で、本気で仕事をして、薬剤師がいてくれてよかったと日々言われるような成果をあげられるように、もっとこの業界は努力していかないといけないと思います。

    5. 福利厚生は? 産休・育休は??

    白衣
    松崎さんは貴院の福利厚生制度に満足していますか?
    また産休・育休は取れる環境ですか?

    松崎
    育休・産休も取れますし、病院で出産もさせてもらえます。業務に戻ってきてからも、時短で働かせてもらえたりもしました

    ただ特に女性は育休・産休前と同じ量の仕事を時短でこなすのはかなり厳しいですし、休んでいる間に技術的に遅れをとってしまうことも多く、結果出産を機に退職される薬剤師が圧倒的でした。

    ただ福利厚生は色々あり、ホテルの割引やレストラン、映画の割引などいくつかの提携店からの福利厚生もありましたので充実していました。

    白衣
    時短勤務制度があっても能力的な遅れなどの問題でやめられてしまう、ストイックな職場ゆえのジレンマですね。

    最後の質問です。
    離職する方は多いですか?またレジデントから定着する方は多いですか?

    松崎
    離職は多いです。レジデントからの定着はごく稀です。概ね2-5年で退職し、若手とベテランがいてその中間がいないような状態が常に続くという感じです。背景には先輩が厳しかったり、仕事が忙しかったりと色々理由はありました。

    人間関係が退職理由となってしまうことは特に入社してすぐの薬剤師に多くて、もともとの人数も多い部署だったので仕方ない部分はありましたが、せっかくの総合病院でできることの半分も学べずにやめてしまった人もいました。

    白衣
    白衣
    松崎さん、本日はお忙しい中ありがとうございました。以上で、「現場で働く薬剤師さんインタビュー」の第14弾を終えたいと思います。今後もよろしくお願いします!

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