体験談

    現場で働く薬剤師さんインタビュー#13「島根大学医学部附属病院」

    現場で働く薬剤師さんインタビュー第13弾
    島根大学医学部附属病院で病院薬剤師として勤務する柿沼さん(女性)にインタビューしました。

    白衣
    白衣
    白衣:当サイトの運営者
    柿沼さん: 島根大学医学部附属病院勤務。病院薬剤師さん

    0. 勤務年数は? 年収は??

    白衣
    早速ですが、柿沼さんの現在の勤務年数などについて教えていただけますか?

    柿沼
    勤務先は島根大学医学部附属病院で病院薬剤師として勤務しています。
    勤務年数は現在6年目で30歳です。
    年収は600-800万円です。

    1. 仕事内容について

    白衣
    出社してから帰るまでの1日の流れはどのようなものですか?

    柿沼
    1日の主な流れは以下のとおりです。

    ~8:20:出社
    8:20:朝礼
    8:30:業務開始
    12:00-13:00:お昼休憩
    17:15:業務終了
    以後、残務があれば時間外勤務を行うという感じです。

    朝礼では前日の当直業務の報告(処方箋:内服・注射、その他の対応:医師・看護師などからの問い合わせ、生じたイベントなど)を行います。業務はシフト制(担当部署はローテーション方式)で、だいたい1-2週間分を事前に開示されます。また中央業務や病棟業務ばかりとなることはほとんどありません(月単位で主に中央、主に病棟などなることはある)。

    白衣
    業務内容についてもう少し掘り下げて教えていただけますか?

    柿沼
    中央業務は内服・注射の調剤をメインに行っています。
    内服薬は特別な指示がない限り1包化対応、注射は個別セットを24時間対応しています。

    無菌調整は抗がん剤とTPN(中心静脈栄養法)に対応しており、抗がん剤はレジメン運用であれば全て薬剤師がミキシングを対応しています。土日は抗がん剤ミキシングのみ対応しており、TPNは金曜日に安定性の高いもののみをミキシングしています。

    病棟業務は、担当病棟に薬剤師が常駐する体制をとっており、週の20時間は確保できる体制をとっています。

    そのほか、薬剤の納品を担当する薬務、医薬品の情報を担当するDI、治験を担当する治験などの部署が存在します。

    近年、医療安全にも薬剤師の参画が求められており、薬剤師を1名派遣しています。
    現在は、定数を下回っているため、充足すれば業務拡大を計画しています。

    白衣
    土日は、、さらっと言っていますが、やはり日曜業務も普通にあるのが病院ですね笑。

    仕事のやりがいや困ることについてお聞きしたいのですが、いかがでしょうか?

    柿沼
    仕事のやりがいは、医療スタッフと連携して患者さんの治療に貢献できることに尽きます。

    本院は病棟常駐化を行っているため、患者さんだけでなく医療スタッフとの距離感がとても近く、コミュニケーションがスムーズに行えるため、薬学的な介入が反映されやすい状況です。

    仕事で困ることは、正直特にこれと言ってはありませんが、強いて言うなら関係性が良好なため、質問を受けすぎることです。

    病棟では持参薬鑑別や服薬指導などを行っているため、調べものなどをする時間が取られてしまい、自分がしたいペースで仕事ができないといった、うれしい悲鳴が発生しています。

    2. 志望動機、貴院の特徴・課題は?

    白衣
    なぜ貴院を選ばれたのですか?
    また、なぜ今の職種を選ばれたのですか?

    柿沼
    大学の頃に研究に触れる機会があり、研究の面白さや楽しさを知ったため、卒業後も研究に携わっていきたいと思ったので研究が行える環境を選びました

    大学に残って研究者になるといった選択肢もありましたが、臨床現場に行きたいといった自分が薬剤師になるべく持った理想も叶えたかったので結局、研究と臨床をどちらも経験できる環境に惹かれました。

    また、大学病院のため最先端の医療技術な知識に触れ、薬剤師として先進的なかかわりを行いたかったからです。

    病院薬剤師という職種を選んだ理由としては成長意欲が大きいです。

    高校生の頃は、薬局で働きたいと思っていました。理由は、親戚が薬局を開局しており、そこで働いている姿がとてもかっこよく見えたからです。

    ですが大学生になり、薬剤師について学んでいるうち、薬剤師として最前線で活躍したいという気持ちが大きくなり、病院薬剤師を志望しました。

    また、これからは個人薬局は大手に負けてしまうのではないかとの懸念もあったので病院を選択しました。

    白衣
    それでは、御社の自慢できることや他院にない特長は何だと思われますか?

    柿沼
    内服薬や注射薬に対する調剤がとても手厚いことです。

    病院によっては、1包化や個別セット調剤を行っていなかったり、業務時間内のみの対応としているところもまだまだ多いのが現状ですが、当院では、医療安全の面からも個別な対応をとっています。

    他院にない特徴としては、薬剤師外来が活発な点です。

    術前外来やIBDセンター(炎症性腸疾患)など含めて8領域の薬剤師外来が稼働しています。特に、IBDセンターにおける薬剤師外来は一般的にも珍しいです。

    白衣
    個別対応は手間と時間がかかりますが、医療安全の面からとても重要ですよね。

    続いて、貴院が力を入れていることと課題について教えて下さい。

    柿沼
    当院は特定機能病院であり、山陰、特に島根県において最先端の医療を提供できる体制を整えている点です。

    近年は経営も安定しているため、最新の医療機器の導入もスムーズであり、高度な医療を提供できます。

    また当院では、高度外傷センターを設置しており、これまで救急にかかっていた患者さんに対して質の高い介入が取れる体制をとっています。高度医療センターの導入によって、他の医師の負担が軽減しており、職場環境的には年々改善されています。

    当院に限りませんが、課題は人材不足です。
    大学病院という特徴のせいもあり、医師や薬剤師が不足している病院や地域に人材を派遣しており、当院だけでなく島根県全域の医療の質を担保する体制をとっています。

    3. 職場の雰囲気は?

    白衣
    柿沼さんが貴院で働く理由は何ですか?

    柿沼
    出身が島根県であったので島根で働きたいと思っていました。

    小さいころから薬剤師を夢見ていましたが、薬剤師はやりがいを求めることができる数少ない職業だと思います。無理な肉体労働をする必要もありません。そのため、私自身がやりたいと思ったことができる環境を島根県で探していました。

    大学生の頃、研究に魅了された私はこれから先も研究をやりがいにしたいと思い、当院を志望しました。

    もちろん、市中病院や中小病院でも研究をすることは可能です。しかし、どの病院でも質の高い研究を行うには限界があり、また研究を指導してくれる指導者もいません。なお研究に対する考えから、薬局やドラッグストアを選択肢にすることはありませんでした。

    白衣
    出身地である島根県、研究をしたいという想いから、貴院での病院薬剤師をめざされたのですね。

    次の質問に移らせていただきます。貴院にどのようなタイプの人が多いですか?

    柿沼
    田舎にあるためか薬剤師間や多職種間のしがらみが少ないと思います。

    お互いが人員確保に苦労しており、島根で医療を展開していくにはお互いが協力する必要性を実感しています。そのため、協力体制がとても取りやすい関係にあります。

    もちろん、変わった人も中にはいますが、それは大きな社会であれば当たり前でしょう。
    みんなが同じなんてのは机上の空論です。

    それぞれがいろいろな考えを持つからこそより良い考えが浮かんできます

    4. 医療業界の課題・将来性は?

    白衣
    業界の課題や将来性についてどのように思われていますか?

    柿沼
    薬剤師の業界は年々厳しいとの指摘を受けていますが私はそうは思いません

    これまでの診療報酬の甘え、何も新しい取り組みや研究、エビデンスを確保することができなかった業種や施設が苦労しており、一部メディアにもたたかれています。

    しかし、全体を見渡せばきちんとした対応をとっているところもたくさんあります。

    事実、診療報酬の話し合いに病院薬剤師が取り組んだ内容が参考資料として取り上げられ、実際に診療報酬が付きました

    薬剤師にはアカデミックな一面を昔から求められていました。

    金銭面が良いとか女性が働きやすいとかメリットと思えるような一面だけで薬剤師になった志の低い薬剤師は不安を感じるしかないかもしれませんが、もともとやるべきことをきちんと行っている薬剤師にとってはなんの問題にもなりません

    白衣
    すばらしい! 薬剤師業界における心配事に対してストイックながら、とても正しいご意見です。アカデミック性が無いと言われ続けて6年制になったのですから、やはり専門家としてのスペシャリティが無いとダメですよね。

    5. 福利厚生は? 産休・育休は??

    白衣
    柿沼さんは貴院の福利厚生制度に満足していますか?
    また産休・育休は取れる環境ですか?

    柿沼
    当院の福利厚生には満足しています。

    家賃手当や扶養手当などの諸手当もきちんと存在しますし、土日に出勤した際は、時間外手当として業務時間分賃金を得ることが可能です。また、出張も土日にかかった際は、業務とされ時間外勤務分の賃金が支払われます。

    また産休・育休も取得できますし、院内保育園も完備されており、育休取得後復帰する際の支援も体制が整っています。院内保育園は365日稼働しているため、預けることができない日はありません。

    白衣
    院内保育園が365日オープンというのは魅力的ですね!

    最後の質問です。
    離職する方は多いですか?またレジデントから定着する方は多いですか?

    柿沼
    離職する薬剤師は多いですね。

    というのも、大学病院の薬剤師は最先端の知識を学んでも残る薬剤師は少なく、たいてい外の病院に出て行ってその知識や経験を伝えていくという教育者的な要素も担う必要があるからです。

    もちろん、大学に残り続けて研究を続けたり上に上り詰めていく薬剤師もいます。

    また当院にはレジデント制度はありません

    採用当初から既存職員と同様の待遇を受けて薬剤師として働きます。昔からの名残で任期が存在しますが、これはほとんど無期限と同様で5年目以降は無期限へシフトされます。

    白衣
    白衣
    柿沼さん、本日はお忙しい中ありがとうございました。以上で、「現場で働く薬剤師さんインタビュー」の第13弾を終えたいと思います。今後もよろしくお願いします!

    #13 島根大学医学部附属病院のまとめ
    • 30歳、勤務年数6年、年収600-800万円
    • 卒業後も研究に携わりたく研究と臨床をどちらも経験できる環境を選択
    • 最新の医療機器の導入もスムーズであり、高度な医療を提供
    • 高度外傷センターを設置
    • 産休・育休も取得可能。院内保育園が365日稼働
    • レジデント制度なし

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