働き方(研究者)

    現場で働く研究者さんインタビュー#3「シクロケム(化粧品・化学会社)」

    現場で働く研究者さんインタビュー第3弾
    株式会社シクロケムで化粧品研究者として勤務する富田さん(女性)にインタビューしました。

    白衣
    白衣
    白衣:当サイトの運営者
    富田さん: 株式会社シクロケム勤務。化粧品の研究者さん

    0. 勤務年数は? 年収は??

    白衣
    早速ですが、富田さんの現在の勤務年数などについて教えていただけますか?

    富田
    勤務先は株式会社シクロケムで化粧品の研究者として勤務しています。
    勤務年数は現在9年目で33歳です。
    年収は300-400万円です。

    1. 仕事内容について

    白衣
    出社してから帰るまでの1日の流れはどのようなものですか?

    富田
    ざっとまとめると、以下のような感じです。

    8:30
    出社
    メールチェック、論文検索
    9:30-12:30
    実験開始
    12:30-13:00
    オフィスでランチ
    (社食もあるので、独り暮らしでも栄養面はバッチリです)
    13:00-17:30
    実験再開、データ整理、社内または他社との打ち合わせ等
    17:30
    帰宅
    定時は17:30ですが、実験や会議の都合により、大体18:00~18:30に帰宅してます。

    また週に一度は、研究員全員のミーティングがあるため、その日は以下のスケジュールとなります。

    9:00
    出社
    メールチェック、論文検索、データ整理
    11:00-12:00
    雑誌会
    (会社にとって必要な情報を論文などから取得し紹介します。1人1時間ローテーション)
    12:00-13:00
    オフィスでランチ
    13:00-16:00
    研究ミーティング
    各研究員の研究の進捗を報告しあいます。
    16:00-17:30
    各部署でのミーティング、データ整理など

    白衣
    雑誌会、抄読会とか色々呼び方がありますが勉強会があるんですね。

    業務内容について、もう少し具体的にお聞きしてもよろしいですか?

    富田
    弊社の研究は、化粧品や食品に含まれている機能性成分を環状オリゴ糖と組み合わせることで、肌や体内への吸収性を向上させるというものがメインになります。さらに、安定性や機能性の向上等についても詳しく評価を行っていきます。

    例えば、化粧品分野では、レスベラトロールなどの抗酸化作用をもつ成分を環状オリゴ糖と混合し、皮膚細胞への取り込み率を見ていき単独で摂取した場合とどのように異なるか評価します。

    既に商品化されているものについては、定期的に品質管理を行っています。

    白衣
    続いて、仕事のやりがいや困ることについてお聞きしたいのですが、いかがでしょうか?

    富田
    やりがいは、環状オリゴ糖の特性を学べることです。脂溶性で体内に吸収されにくい成分、不安定ですぐに分解してしまう成分を環状オリゴ糖と組み合わせることで性能を向上させることに大変やりがいを感じております。

    化粧品分野でしたら、脂溶性のために皮膚からの吸収性が悪い成分、不安定で分解性のある成分と環状オリゴ糖をコラボさせた商品開発に着手しています。こういったラボでの研究は、最低でも1人1テーマ与えられるので自分がエキスパートにならなければなりません。ここが一番のやりがいに繋がるところです。

    仕事で困ることは、上記のように研究テーマが1人1テーマということで、チームで1つのテーマに取り組むわけではないので全て自分で調べて自分で行動して結果を出さなければなりません。やりがいであるとともに、たまにですが研究の詳細を相談できる人がいれば…と思うこともあります。

    2. 志望動機、御社の特徴・課題は?

    白衣
    なぜ御社を選ばれたのですか?
    また、なぜ今の職種を選ばれたのですか?

    富田
    私は学生のころか環状オリゴ糖の研究に携わっており、この糖質に大変魅力を感じておりました。

    弊社はこの環状オリゴ糖の研究をメインに行っており、さらにそれを生かした食品、化粧品、農業、マテリアルといった様々な分野の研究を手広くすることが可能です。
    ですので弊社を選んだ決め手は、環状オリゴ糖に関わりながら幅広い分野で研究ができるといったところです。

    また研究職は、毎日実験してある程度データがまとまると対外的に公表(学会発表や論文執筆など)の繰り返しです。

    ルーチン作業にも見えますが、この地道な作業の中で、たくさんの知識を得ることが可能であり研究成果を公表することで認知してもらうことが研究員としてのステータスになり最大のやりがいとなります。このような達成感は研究職ならではのものなので、私は研究員の道を選びました。

    白衣
    それでは、御社の自慢できることや他社にない特長は何だと思われますか?

    富田
    まず他社になくて弊社のみにある特徴ですが、週に一度の雑誌会と研究ミーティングです。
    雑誌会では最新の知見を紹介しあうことで、弊社の研究開発に必要な様々な分野の知識の共有ができます。

    また研究ミーティングでは、各研究員の研究進捗や今後の実験の進め方を報告することで、他の研究員からアドバイスをもらえたり、色んな分野の情報を収集できるので、とても有意義な時間となっています。

    さらに弊社では、年に一度の学会発表が義務付けられているので、学会発表を目標に日々の研究に精進できることも弊社ならではの特徴といえます。

    白衣
    では一方で御社が力を入れていることと課題としていることは何ですか?

    富田
    弊社が力を入れていること及び課題は、環状オリゴ糖のビジネスを、今以上の様々な分野、さらには全世界に展開することです。

    現在世界中で様々な機能性成分が絶え間なく発見されています。しかし、これらの成分は脂溶性のため消化管や肌からの吸収性が低く、体内での作用は困難なことが多いです。このような成分に着目し、環状オリゴ糖を作用させることでより有能な商品化を目指しています。

    例えば、化粧品分野では現在レスベラトロールの安定性に着目しており、この成分の純品を持つ唯一のヨーロッパの会社との提携を進めております。

    3. 職場の雰囲気は?

    白衣
    富田さんが御社で働く理由は何ですか?

    富田
    弊社およびこの業界で働く理由は、研究が好きだからに尽きます。先にも述べましたが、研究職は毎日実験を行い、ある程度データがまとまると対外的に公表(学会発表、特許申請、論文執筆など)の繰り返しです。

    この地道な作業の中で、たくさんの知識を得ることが可能であり研究成果を公表することで認知してもらうことが研究員としてのステータスになり最大のやりがいとなります。このような達成感は研究職ならではのものなので、私は研究員の道を選びました。

    白衣
    それでは、次の質問に移らせていただきます。御社の社風はどのような感じですか?

    富田
    弊社の社風ですが、ソフトな体育会系です。
    一方で、仕事とプライベートをしっかり分けて考えられるとても働きやすい会社です。

    仕事面では、研究に取り組む姿勢やお客様への対応など、細かくしっかり指導していただけ、時には厳しさもありますが、それを引きずらずに上手く切り替えができる人たちの集まりのように感じています。

    社員は、研究員、営業マン、事務員で成り立っています。とても気さくな人が多いと感じています。また全体ミーティングや社員旅行といった年に2度、全社員で(神戸、東京、岡山オフィスがございます。ラボは神戸のみですので、研究員は自動的に神戸に配属となります)集まる機会があり、他のオフィスの社員とも交流が持てます。

    4. 化粧品業界の課題・将来性は?

    白衣
    業界の課題や将来性についてどのように思われていますか?

    富田
    将来性はかなり期待できると感じています。
    環状オリゴ糖は、グルコースが環状に連なった単純な構造で、自然界にも存在しているため安全性も確保されている化合物群です。

    このような安全な化合物が様々な分野に応用できることは、かなり興味深く、顧客様も使いやすい化合物かと意見をいただいております

    課題は、環状オリゴ糖は業界人しか知らないので、一般的に広く知ってもらえるよう対外的なイベントを行い、身近なものとなればうれしいです。

    5. 福利厚生は? 産休・育休は??

    白衣
    富田さんは御社の福利厚生制度に満足していますか?
    また産休・育休は取れる環境ですか?

    富田
    育休、産休はかなり取得しやすい環境だと思います。
    実際、取られている先輩もいらっしゃいますし、時短の場合も人事の方と個別に相談し、都合の良い時間のみの勤務が可能です。

    その他の福利厚生もかなり充実しております。
    例えば、有給休暇も直属の上司に、3日前くらいまでに有給を取得したい旨を伝え、実験に支障がなければ特に問題なく取得が可能です。

    土日祝日に出勤した場合は、原則1ヶ月以内の取得が義務付けられていますが、無理な場合は数ヶ月後でも取得可能といった融通はかなりききます

    6. 博士号は必要? 修士で十分??

    白衣
    それでは最後の質問です。これからの製薬企業研究職の就活において、博士は必要とお考えですか?

    富田
    就職活動を行ったときは、修士でした。
    弊社は研究員の場合、博士卒と修士卒が約半々の割合となっております。
    博士号をもっておられる方はやはり専門知識が深いですし、知識量も半端なく多いです。

    化粧品業界において博士が必要かと問われると必ずしも必要とは思いません
    専門的な分析機器を使用したり、深い知識を必要とする解析手法等があるため、修士は出ておいた方が良いかなという見解はありますが、それ以降は自分次第だと考えます。

    修士さえ出てしっかり研究の基礎を身に付けていれば、この業界で生きていくのには問題ないように感じています。ただ、一生勉強が必要な職種なので、その後の自分の知識を生かしていくも、増やして上を目指していくかも全て自分の責任というところが大きいです。

    白衣
    白衣
    富田さん、本日はお忙しい中ありがとうございました。以上で、「現場で働く研究者さんインタビュー」の第3弾を終えたいと思います。今後もよろしくお願いします!

    #3 シクロケムのまとめ
    • 33歳、勤務年数9年目、年収300-400万円、化粧品研究
    • 抗酸化作用をもつ成分を環状オリゴ糖と混合し、皮膚細胞への取り込み率を評価
    • 最低でも1人1テーマ与えられるので自分がエキスパートにならなければならない
    • 週に一度の雑誌会と研究ミーティング。年に一度は学会発表
    • ソフトな体育会系な社風
    • 産休育休はほぼ100%取得可能。時短勤務もあり。
    • 博士と修士は半分半分

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