体験談

    現場で働く薬剤師さんインタビュー#8「個人店舗」

    現場で働く薬剤師さんインタビュー第8弾
    個人経営の薬局でパートタイマー薬剤師として勤務する小柳さん(女性)にインタビューしました。

    白衣
    白衣
    白衣:当サイトの運営者
    小柳さん: 個人薬局で働くパートタイム薬剤師さん

    白衣
    早速ですが、小柳さんの現在の勤務年数などについて教えていただけますか?

    小柳
    勤務先は個人薬局(薬局名は匿名希望)でパートで薬剤師として勤務しています。
    勤務年数は現在2年目で28歳です。
    年収は300-400万円です。

    白衣
    ありがとうございます。本シリーズで初めての個人薬局、パートタイマー薬剤師さんですので、色々と新鮮なお話が聞けると楽しみにしていました。新卒の学生さんには少し遠い話かもしれませんが、様々な働き方があることを知ってもらいたいと思っています。

    1. 仕事内容について

    白衣
    出社してから帰るまでの1日の流れはどのようなものですか?

    小柳
    勤務開始は9時からですが、8時半頃には出社してお薬の補充やプリンターの準備など雑用を済ませています。9時から開店ですが、開店と同時に患者さんが来るわけではないので、門前の病院の診療・会計が済んだ9時半から10時頃にようやく調剤業務が始まります。

    昼休憩は1時間ほど、12時からか13時からのいずれかで入ります。業務はパートなので5時半に終了、冬場のインフルエンザのシーズンは6時くらいまで残ることもありますが残業は滅多にありません。

    白衣
    業務内容についてもう少し掘り下げて教えていただけますか?

    小柳
    患者さんへの薬の調剤、投薬、薬歴作成がメインです。稀に薬の飲み残しを持ち込まれる患者さんがいらっしゃるので、その残数を確認したり、投薬の際に薬の相談にのったりしています。

    門前の病院にはよほどの疑義がない限りは、あまり関与することはありません。地方なので在宅業務もパートには当たっていません。

    月に1回、契約施設の定期薬の調剤がありますが、調剤のみで施設管理の方に配達していただいており、施設往診への同行なども行なっておりません。

    白衣
    正社員とパートとの間で仕事がキッチリ分けられている感じでしょうか。責任の重い仕事は正社員が担当するということですね。

    続いて、仕事のやりがいや困ることについてお聞きしたいのですが、いかがでしょうか?

    小柳
    地方の薬局のため、来局される患者さんが限定されてくるので、投薬を繰り返すうちにその方との関係性・信頼性が築けるのは楽しいです。

    困ることは、門前との関係性を良好に保つことです。個人的には病院勤務も経験していますが、その時と比べて疑義に対するハードルが高いと感じます。これは私個人の問題ではなく、薬局全体として、医師に遠慮してしまい疑義が後手に回ってしまいがちです。

    正直なところ、薬局内の薬剤師同士の関係生を良くすることも大変です。閉塞的な空間ですので、意見の対立があると、お互いどのように譲歩・協力して行くかが思った以上にうまくいきません

    年齢差や過去の勤務歴などのバックグラウンドの違いが大きい方とも一緒に仕事をせざるを得ないこともあり、スタッフ間の人間関係で困ることは度々あります。

    2. 志望動機、御社の特徴・課題は?

    白衣
    なぜ御社を選ばれたのですか?
    また、なぜ今の職種を選ばれたのですか?

    小柳
    自宅から近く通いやすかったことと、薬局管理者が寛大な方でパートという雇用形態を前向きに受け入れてくれたからです。病院薬剤師から薬局薬剤師に転職した一番の理由は、自分の時間を確保することと、給料を多くもらいたかったからです。

    病院は一般的に給料が薬局よりも低い傾向にあることと、以前の勤務先は救急対応病院だったため、夜勤や土日の勤務、さらには土曜の夜勤(すなわち土日共に出勤)もありましたので、休日が潰れてしまうことが多くありました。

    薬局も土曜日の勤務はありますが、その代わり平日半日勤務があったりと、週休2日を病院に比べて確保しやすくなっています。

    業務的にも抗がん剤の調製や指導などストレスのかかる業務がない分、リラックスして仕事ができるので、その分気持ちに余裕ができて、新しく趣味を始めてみようかといった気持ちになれます。

    白衣
    それでは、御社の自慢できることや他社にない特長は何だと思われますか?

    小柳
    一般的な地方の薬局の一つなので、弊社でしか行なっていないようなオリジナルの業務は特にないかと思います。その代わり医療事務・調剤助手・薬剤師全てが協力して仕事をしないと人手が足りなくなってしまいます。

    薬剤師でも朝早くから出勤して玄関前を除雪したり、医療事務さんたちに混じって薬局の掃除をしたりと、薬剤師の枠にとらわれない、ある意味雑用のような仕事を自ら行なう必要があります。

    薬剤師の先生、といった扱いを受けることが個人的には嫌いなので、一人の被雇用者として全員が同じ立場で働くという認識のある会社であることは私には良かったと思います。

    白衣
    御社が力を入れていることと課題について教えて下さい。

    小柳
    小さな会社ですので、薬局を維持して行くことが先決であり業務を拡大して行くような話はありません。在宅も積極的に契約するほど薬剤師の人数も足りていません

    ですので、課題としては現代の社会が求めている理想の薬局像に近づけるための取り組みが出来ていない点です。

    患者アセスメントに十分な時間をとる、医師とも密にコミュニケーションをとる、頻回に在宅患者さんの様子を伺う、まずは薬局をトリアージの場として提供し病院への不要な受診を減らす、といったことは人数の関係などで取り組めていないのが現状です。

    3. 職場の雰囲気は?

    白衣
    小柳さんが貴院で働く理由は何ですか?

    小柳
    実は、さらに転職を考えています。そのため、現在の一番の目的は貯金を作ることです。また転職にあたり資格取得も考えていたので、フレキシブルに雇用してくださる薬局を選びました。

    病院薬剤師の経験しかなかったことから、薬局も経験として積んでおかなければという気持ちもあり、先に述べた二つの条件に叶う薬局として応募したのが今のお店でした。

    結果、薬局勤務をする上での自分の課題を見いだすことができ、資格取得に向けての手続きや勉強も順調に進んでいるのでよかったと思います。

    白衣
    。産休・育休明けに時短勤務制度がイマイチなため、パートタイマーとして勤務される方が多い中、キャリアプランのためにパートタイマーを選択するというのは、学生さんにとって非常に貴重なお話です。

    それでは、次の質問に移らせていただきます。御社はどのような社風ですか? またどのようなタイプの人が多いですか?

    小柳
    管理者から常に言われることは、良い人間関係から良い医療が生まれる、ということで、働いている社員の皆が、この考えに基づいて勤務されていますね。

    以前より当店に勤務されている先輩薬剤師や医療事務の方も、その考えのもとにお仕事に従事されており、新しく私が働き始めた時もあたたかく受け入れてくださいました。

    おかげさまで、指導も丁寧にしていただき、仕事に慣れるまでも時間はかからず大変感謝しています。

    4. 医薬品業界の課題・将来性は?

    白衣
    業界の課題や将来性についてどのように思われていますか?

    小柳
    私が従事しているような薬局は地方には数えきれないほどあるかと思います。門前の医師がトップにあり、薬剤師は調剤・薬歴作成をこなすことで精一杯、時間に余裕があったとしても、それ以上の仕事をしようとすると医師から煙たがられるといった構図です。

    患者の採血結果の開示も一般的ではないため、腎機能・肝機能の確認など今の薬剤師にも求められていること、病院では当たり前に行なっていることができないことも多々あります。

    薬剤師としての質も、はじめからお金目的、楽な仕事がしたいと思って仕事を選ぶと何も成長はできませんし、薬局の業界にはそのような薬剤師が圧倒的に多いことから、今後は薬剤師としてのレベルも高く、質の高いサービスができる薬局でないと運営して行くのが難しくなって行くのではないかと思います。

    白衣
    薬剤師全体への厳しい意見が飛び交いましたね (苦笑)

    5. 福利厚生は? 産休・育休は??

    白衣
    最後の質問です。
    小柳さんは御社の福利厚生制度に満足していますか?
    また産休・育休は取れる環境ですか?

    小柳
    産休・育休は相談すればいただけますが、パートタイマー勤務ですので福利厚生はほとんどありません。

    大手の薬局や病院では職員が福利厚生専用の企業に自動加入させてもらい、ホテルや映画の割引などいろいろなサービスを受けることができましたが、小規模の企業ではそこまでのものはありません。

    お休みも人数が少ないため取得するのにためらうことがあります。スタッフ全員で抜けた穴をカバーするような環境ですので、長期の休日取得のためには全スタッフへの確認と、早めに相談しておくことが必須ですね。

    でも全体としては、とても満足して働かせてもらってますよ(笑)。

    白衣
    白衣
    小柳さん、本日はお忙しい中ありがとうございました。以上で、「現場で働く薬剤師さんインタビュー」の第8弾を終えたいと思います。今後もよろしくお願いします!

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