体験談

    現場で働く薬剤師さんインタビュー#5「興生総合病院」

    現場で働く薬剤師さんインタビュー第5弾
    社会医療法人 里仁会 興生総合病院(以下、興生総合病院)で病院薬剤師として勤務する板倉さん(男性)にインタビューしました。

    白衣
    白衣
    白衣:当サイトの運営者
    板倉さん: 興生総合病院勤務。病院で働く薬剤師さん

    0. 勤務年数は? 年収は??

    白衣
    早速ですが、板倉さんの現在の勤務年数などについて教えていただけますか?

    板倉
    勤務先は興生総合病院で病院薬剤師として勤務しています。
    勤務年数は現在3年目で28歳になります。

    年収は300-400万円です。
    ドラッグストアなどと比較すると、給与は少々低めですね(笑)。

    白衣
    よくわかりました。ありがとうございます(笑)。

    1. 仕事内容について

    白衣
    出社してから帰るまでの1日の流れはどのようなものですか?

    板倉
    8:30に朝礼。8:40から病棟業務もしくは調剤室にて調剤業務を行います。各病棟担当が2人から3人いて、午前午後で病棟担当を代わっています。時折、1日中病棟にいる日もあります。

    12:30~13:30まで昼休憩で、13:30からは調剤室では翌日のオペの準備や、定期の薬の準備をします。病棟では医師に定期薬の確認を行ったり、患者の病態に合わせた薬の内容の確認を行っています。

    17:30終礼ですが、それまでに各病棟の患者の薬で切れる薬がないかチェックします。

    白衣
    業務内容についてもう少し掘り下げて教えていただけますか?

    板倉
    調剤業務では、医師からのオーダーに対して、検査値などを考慮して、処方箋の内容に問題がないか確認して調剤を行います。また、当院では外来患者さんの処方内容も全てチェックします。

    当院は院外薬局からの問い合わせも多いので、それの対応も重要な仕事です。医師とプロトコールを結び、ある程度は薬剤師の判断で返事をしますが、判断が難しいものに関しては医師に問い合わせます。

    病棟業務では入院、退院患者の対応を行います。入院患者の内服薬を確認し、現在の病態に合わせて医師に指示を確認します。指示を確認できたら各病棟定期まで患者さんの持ってきた薬を調剤します。

    薬を持ってきてない人は代替薬を検討します。退院患者は再診日まで薬が足りているか確認し本人、又は家族に薬の指導をおこないます。また、高カロリー輸液の混合も行います。

    白衣
    続いて、仕事のやりがいについてお聞きしたいのですが、いかがでしょうか?

    板倉
    病院において、医師の処方内容に対して対等の立場で意見を言えることができるのが薬剤師です。患者本人、看護師、その他医療スタッフの意見を総括し、医師に対して処方提案を行い、その結果患者の病態が回復に向かった時など、薬剤師としての職能を感じます

    また、医師も薬の全てを把握しているわけではないので、医師からの問い合わせに対してより良い提案を行い、医師からの信頼を得ると、自信につながりますね。

    問い合わせが多い内容として緩和ケアありますが、患者の今後や疼痛ケアなどを考慮して医師と試行錯誤しています。その結果、患者の苦痛を少しでも和らげることができたなら、治療に参加しているという実感がわき、やりがいをとても感じます。

    白衣
    医薬分業、チーム医療などが机上の空論ではなく、しっかりと機能している点が貴院の特徴ですね。

    では、仕事を行う上で困る点はありますか?

    板倉
    今申し上げたことと相反してしまうのですが(笑)、やはりワンマン思考の医師の方が少数ながらいるため、そのような先生とのコミュニケーションは苦労しますね。

    薬剤師だけでなく、他のコメディカルの方も同様に悩んでいます。

    2. 志望動機、御社の特徴・課題は?

    白衣
    なぜ貴院を選ばれたのですか?
    また、なぜ今の職種を選ばれたのですか?

    板倉
    実は、前職では調剤併設のドラッグストアで働いていました。その際、患者さんをいかに効率よく回して利益を稼ぐか、という方針に嫌気がさしてしまいまして転職を決意しました。

    また、今後の治療など患者に相談されてもはっきりとは答えられなかった点も大きいです。そのような理由で病院での経験が必要だと思い、地元でも患者数の多い当院に転職しました。

    薬剤師を選んだ理由は、もともと医療系に就職したいと思っていた中で、普段から病気がちな私は、1番身近な薬に対して興味があったので薬剤師の職業を選びました。なおOTC医薬品にも興味があったので、新卒ではドラッグストア薬剤師を選びました。

    白衣
    ドラッグストアから病院への転職は珍しいですね。でも、新卒では高い給与に目がくらみドラッグストアに就職したものの、自身の能力やキャリアに思い悩むようになる、という話は確かによく聞きますね。

    他に、板倉さんが考える他院にない特長などはありますか?

    板倉
    当院では薬剤師と医師の距離が近いため、医師に容易に意見を伝えられることが大きな特徴だと考えています。

    大病院などでは認定を持ってないと意見を聞いてくれないことも多いのですが、当院では認定の持っていない薬剤師の意見にも医師が耳を傾けてくださるので、とても働きやすいです。

    また、常に新しい取り組みを始めていく社風があり、働いていても現場に応じて変化して対応していく柔軟性があります。こういった変化に対して積極的な対応をとれる施設は少ないと思います。

    白衣
    保守的なところが多い病院において、新しいことに積極的というのは大きな魅力ですね!

    それでは次の質問です。
    貴院が力を入れていることと課題について教えて下さい。

    板倉
    当院では、地域連携に力を入れています。門前薬局だけでなく、地域の病院、薬局が細かな連携を取れるように、日々関係を気づいています。

    最近は、「問い合わせがしやすくなった」などと地域の薬局から言われることも多くなり、患者の為のより良い環境が整備されてきたな、と感じます。

    課題としては、病院薬剤師の人数が少なく、拡大した業務に対してマンパワーが足りない時もあるので、より効率的な方法を考えていくことです。新人教育に対してマニュアルがあるのですが、指導薬剤師の色がでてしまうのも改善していく必要があると思います。

    3. 職場の雰囲気は?

    白衣
    板倉さんが貴院で働く理由は何ですか?

    板倉
    やりがいです。以前いた調剤併設のドラッグストアでは給料も高く、生活に困らなかったのですが、毎日が同じ作業の繰り返しで退屈でした。また、薬局の中だけということで人間界も窮屈だったのがネックでした。

    現在の職場では他職種がたくさんおり、外来から病棟まで自由に動くことができ、自分で大まかなスケジュールを立てることができるので、気持ち的にも伸び伸びと働くことができます。

    そして、1番の魅力は他職種との交流が盛んな点です。いろんな視点から患者の治療を考える機会が多く、とても勉強になります。

    白衣
    給与ではなく、医療従事者として患者にコミットすることの方が価値が高い、板倉さんの価値観が良く出ているご回答ですね

    貴院はどのような社風ですか? またどのようなタイプの人が多いですか?

    板倉
    地域医療に、根ざした医療を実践していく社風です。さまざまな事業に取り組むことに迷いがないので、地域の根幹病院として地域を引っ張っている存在です。

    働いている人間は積極的で、やる気のある人が多いです。また、決断力がある人が多い気がします。1日のうちで、ある程度の決断を迫られる機会が何度かあります。そこで適切な判断を下し、行動に入れる人材が求められているので、自然とそのようなタイプの人が多くなっているのだと思います。

    4. 医薬品業界の課題・将来性は?

    白衣
    業界の課題や将来性についてどのように思われていますか?

    板倉
    今後の課題は、時代の流れに置いていかれない事だと思います。

    AIが発達していくなか、薬剤師の職能が問われている現代です。人間である薬剤師にしか出来ない業務を見つけて、それを世間にアピールしていくことが重要ではないでしょうか。

    医師の意見に従うだけでは機械と変わらないので、自身の頭で考えることが重要だと思います。“患者様の為に薬剤師が何ができるのか”を常に考える必要があると思います。

    白衣
    AIやオートメーション化の大きな変化の並は薬剤師にとって決して見過ごせない問題ですね。ピッキングマシーンの開発も成功しており、後は低コスト化を実現するだけと言います。今は機械を導入するよりも人件費の方が安いため、人が業務をこなしていますが、それも10年前後で変わりそうですよね。

    5. 福利厚生は? 産休・育休は??

    白衣
    最後の質問です。
    板倉さんは御社の福利厚生制度に満足していますか?
    また産休・育休は取れる環境ですか?

    板倉
    福利厚生には正直満足しておりません。休みが少なく、またサークル活動などそういった社員の楽しみについては全く、力を入れてないといってもいいと思います。業務も多忙ですので、もっと福利厚生を充実させる必要が病院全体で必要だと思います。

    ただ産休・育休の取得は積極的なため、その点は良いかと思います。休みを取得することに対しての気まずさは全くなく、職場復帰をされる方もたくさんおり、女性が働きやすい職場だと思います。

    白衣、産休・育休の取得が容易で、職場復帰される方が多いといのは、かなり珍しい病院ですね!また病院内の雰囲気は本当素晴らしいですね。

    白衣
    白衣
    板倉さん、本日はお忙しい中ありがとうございました。以上で、「現場で働く薬剤師さんインタビュー」の第5弾を終えたいと思います。今後もよろしくお願いします!

    #5興生総合病院
    • 28歳、勤務年数3年、年収300-400万円
    • 緩和ケアの対応が多く患者の今後や疼痛ケアなどを考慮して医師と試行錯誤
    • 常に新しい取り組みを始めていく社風
    • 地域連携に注力
    • 他職種が豊富で外来から病棟まで自由に動くことができる
    • 産休・育休の取得は積極的。職場復帰も多数

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