薬と科学

    漢方薬って本当に効くの? その効果や西洋薬との比較について解説

    漢方薬や生薬って、「うさんくさい」って思っている方いませんか?

    草を集めた怪しいエキスよりも、最新科学で作られた西洋医薬品の方が効果が絶対に高いと思っている時期が私にもありました。

    しかしながら、結論として、漢方薬は西洋医薬品に劣るものではありません。

    インフルエンザ治療薬として麻黄湯(まおうとう)が用いられるように、漢方薬が処方されるケースは意外に多いのです。

    (参考:熱が下がらない? インフルエンザ新薬「ゾフルーザ」メリットとデメリットは?

    中には、漢方薬の方が効果的である場合もあります。

    本稿ではそんな意外と理解されていない漢方薬について、薬学部助教の白衣が解説していきたいと思います。

    0. 要約:漢方薬と西洋薬は使い分ける

    ・西洋薬はサイエンスベース、漢方薬は実績ベース

    ・西洋薬と漢方薬は弱点を補完するように両方を使いこなすべき

    ・漢方薬局の漢方は値段が高いが効果も高い 
    西洋薬で治らない&ドラッグストアの漢方薬で効果がないなら一考の余地あり

    1.漢方薬と西洋薬の違い

    西洋薬と漢方薬の違いをまとめたものを下記に示します。

    西洋薬(普段みなさんが飲まれる、粉や錠剤の飲み薬)
    ①サイエンスベースに客観的に研究されたもの
    ②細菌や臓器など、ピンポイントをターゲットとする
    ③体調不良の原因が明らかになったものしか対応できない

    漢方薬
    ①先人たちの経験、実績ベースで集積されたもの
    ②心と体の恒常性(常に一定であろうとする身体の機能)維持または是正をはかる
    ③体調不良の原因が不明であっても対応できる

     簡単に説明します。

    たとえば咳を治療したいとします。

    西洋薬は「なぜ咳がでるのか」「何が悪さをして咳をださせているのか」に注目します。

    つまり「咳」というものを中心において考え、咳がでる風邪や病気をロジカルに割り出し、その風邪や病気の治療薬を処方します。

    一方、漢方薬は咳をしている「人」そのものに注目します。

    つまり、咳き込んでいる人の体質や病状を重視し、その人に適した漢方薬をこれまでの歴史によって培われたガイドラインから割り出し、処方するのです。

    西洋薬は「咳が出る」→「検査してOOという風邪とわかる」→「OOの治療薬をだす」
    漢方薬は「咳がでる」→「咳き込んでいるXXさんの体質・病状を検査する」→「XXさんの咳を抑える漢方薬を出す」

    というイメージです。

    また、上記のフローチャートからわかるように、西洋薬では「OOという病気である」と発見することが重要で、わからないと正確な手を打てません。

    一方、漢方薬は「XXさんの体質」に焦点を当てるので、病名がわからなくても(未知の病気であっても)対応が可能という大きな特徴があります。

    2.漢方薬と西洋薬 どっちが良いの? 飲み合わせ・併用は可能??

    結論としては、ケースバイケースです。

    「OR」の二元論ではないので、併用して用いた方が良い場合すらあります。

    白衣のおすすめの使い方は、

    「急性の症状には西洋薬」で対応し、「慢性的なものには漢方薬」で対応する

    です。

     

    具体的に言えば、急な発熱やインフルエンザになった時は、西洋薬品の力を借ります。

    バファリンを飲んだり、抗インフルエンザウイルス薬を飲んだりします。

    一方で、アレルギー性鼻炎や便秘、不眠などの慢性的な症状には漢方薬で対応します。

     

    これらの理由として、急性的な症状の多くは、細菌やウイルスが悪さにより生じますので、症状を叩くのが得意な西洋薬を用います。

    一方で慢性的な症状というものは、その人の体質そのものに問題があるケースが多いため、「人」に焦点を当てた漢方薬を用います。

    応用編としては、急性的な症状に対して西洋薬品で対応したものの、体が弱ってしまったため、漢方薬で体そのものの調子を整える、といったこともします。

    注意点としては西洋薬と漢方薬の成分が喧嘩することがありますので、併用する際は薬局やドラッグストアの薬剤師さんに聞くなり、ネットで検索をしてください。

    以上の理由より、漢方薬と西洋薬はどちらが優れているのではなく、お互いの弱点を補完するように併用して用いることをおすすめします。

     

    なお、白衣は若い頃、西洋薬信者で漢方薬の効果を信じていませんでした。

    漢方薬を受け入れられなかった理由として、漢方薬は実績ベースである、という点です。

    読者の皆さんも「それでいいのかよ」と思われた方がいるのではないでしょうか?

    この点は一見すると、ロジカルにサイエンスしている西洋薬が圧倒的に優れているように思えてしまうのですが、研究者として色々と活動していると、「生体というのは非常に複雑かつ多様ですべてをロジカルに解明することは不可能」ということがわかります。

    当然といえば当然なのですが、すべての人間が全く同じ個性しか持っていないわけではないので、ロジカルを追求するにも限界があります。

    その点、漢方薬の「飲んだらよくわかんないけど効果があった。そんな例は山程あった」というものは、ある意味、真理なのです。

    ですので、科学的に証明されていないものが多い漢方薬は怪しい、という偏見は捨てたほうが良いと白衣は思います。

     

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    3. 同じ名前の漢方薬なら全て効果は同じ?

    結論から述べて、同じ名前の漢方薬でも効果が異なることはあります。

    なぜなら、漢方薬は様々な動植物を煎じて作られるからです。

    漢方に応じて、煎じる動植物の比率はほぼ一定なのですが、動植物に含有されている成分に差がケースがあり、従って効果にも差が出てくるということです。

    同じ牛肉といえど、国産の最高品質の牛肉を用いるのか、スーパーの特売セールで買った安い牛肉を使うのかで、最終的な料理のレベルが変わってくるイメージです。

    もちろん各製薬会社とも中身の成分が一定の基準を満たすように工夫していますし、漢方薬の原材料の栽培環境には大変気を使っています。

    しかしながら、自然なものですので、どうしても差が出てきてしまうのです。

    また大量製造されていたりすると、経営的判断から栽培期間を短くしてしまうケースもあるようです。

    当然、あまり成長していない植物と十分に成長した植物では含有している成分量は大きく異なります(ものにもよりますが)。

    したがって、同じ名前の漢方薬でもメーカーによって効果の差が出たり、また同じメーカーであっても違う時期に作られたものでは多少の効果の差が出ると言った可能性は否定できないのです。

    4. 漢方薬局の漢方薬は効果が高い

    結局「漢方はどうやって選べば良いのか」と疑問が湧いてくるかと思います。

    白衣の解答としては「漢方専門薬局の漢方が良い」です。

     

    皆さんは街中で、漢方専門の薬局を見たことはありませんか?

    漢方専門の薬局で処方される漢方薬は、栽培期間の長い熟成した植物を用いているケースが多いです。

    従って、漢方薬の効果もドラッグストアで大量に販売されているパッケージング化されたものより効果的なものが多いのです。

     

    難点としては原材料の植物をそのまま渡されるので、自宅で飲む際に自分で植物を煎じて飲む必要があることと、値段が比較的高いです(あと苦い笑)。

    「効果的であるものの、高価格であり、また手間暇もかかる」ということです。

    したがって、何でもかんでも漢方専門薬局の漢方薬は買わない方がよいと思います。

    日常生活で困り続けている体調の悩みや、ドラッグストアで売られている漢方薬では効果が認められなかった時に漢方専門薬局の漢方を用いることをお勧めします。

     

    ちなみに、白衣の実体験および知人の経験談より、漢方薬局で購入してよかったものは以下です。

    ①葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
    慢性鼻炎に効果的です(蓄膿症なども)。

    白衣は小さい頃から慢性鼻炎で、薬飲んだりレーザーで粘膜焼いたり色々したのですが、ほぼ効果なしでした。

    試行錯誤のすえ、行き着いたのが漢方薬局の葛根湯加川芎辛夷ですが、飲み続けて2ヶ月くらいすると、鼻が通る日が出てきたのです。

    「365日快適!」とはいきませんが、それでもかなりお世話になっている漢方薬です。

    *花粉などのアレルギー性鼻炎には小青竜湯(しょうせいりゅうとう)がおすすめです。
    これはドラッグストアの小青竜湯で白衣は十分に対応できました。

    ②-1 加味逍遙散(かみしょうようさん)
    イライラする、怒りで熱くなってしまうタイプの更年期障害に効果的です。

    ②-2 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
    冷え症や貧血、疲労しやすいタイプの更年期障害に効果的です。

    白衣は男なので飲んだことないですが、女性の方から評判が良いのが、加味逍遙散と当帰芍薬散ですね。

    加味逍遙散は、更年期に限らず職場のイライラを鎮静させるなどでも用いられるようで、イライラのあまり体調不良が現れてきた方にもお勧めとのことです。

    ③抑肝散(よくかんさん)

    漢方学では「肝(かん)」が高ぶると、怒りやイライラが現れるとされています。

    その肝を抑えるのが抑肝散で、効果は名前の通りでイライラを抑制します。

    こちらは男性の精神不調を治すために処方されることが多い漢方薬です。

    ストレス社会の現代では、かなり頻繁に処方されると漢方薬局の方が言っていました。

    いずれも安くはないですか、体調の改善によって得られた生活の質の向上に比べれば高い買い物では無かったと実感しています。

    5. おわりに

    本稿では漢方薬と西洋薬の特徴の違い、使い方についてまとめてみました。

    どうも漢方薬と聞くと、どうしても怪しいイメージがあるのは何ででしょうかね笑。

    しかし、日本の西洋文化はここ100, 200年のもので、それ以前は独自の東洋文化だった訳ですから、日本人と漢方薬との相性も悪くないはずだと思います(日本食と欧米食みたいな)。

    繰り返しますが、「漢方薬が良いから飲みましょう」というわけではなく、「西洋薬と漢方薬の違いを知り、適切な時に適切なものを適切な量飲む」のが一番です。

    めざすべき健康体に向けて、西洋薬や漢方薬、ときにはサプリメントを飲んでベストな状態であり続けましょう!

    ちなみにサプリメントでおすすめなサイトはこちらです⇒「艶やかサプリ」。

    それでは、このへんで。

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