書評・映画評

    書評「プロカウンセラーの聞く技術」

    こんにちは、白衣です。

    今日も 「VS 人」 についての書籍について紹介します。

    本日紹介する書籍はこちら

    「プロカウンセラーの聞く技術」(東山紘久)

     

    走ることはだれでもできるけれど、100mを11秒以内に走ることは誰でも出来ません。

    それと同じで、人の話を聞くことは誰でもできますが、上手に聞くということ簡単ではないですよね。

    本書では「話を聞くプロ」であるカウンセラーが「聞き上手」になる術について解説しています。

    それでは、内容について書いていきます。

     

    聞き上手は話さない

    鉄板ではありますが、自分から話さないことです。

    相手が口を開き、その内容について素直に聞くことです。

    そうすると会話のパターンは「相手が話し、こちらが聞く」という相手主導のものになります。

    「相づちを打つ以外はしゃべらず、意見を聞かれた時は手短に答える」

    これが聞き上手になるための大前提の姿勢です。

     

    「避雷針」になる

    この技術は、相談者の怒りや愚痴にひたすらに打たれることを目指すものではありません。

    避雷針とは雷に打たれ、地面に流す存在です。

    従って、この場合の避雷針とは自分に愚痴を積極的に落としてもらい、その負のエネルギーを自分に溜め込まず、外に流しだす技術を指します。

    相手の身になって真剣に聞いた上で、愚痴を自分の心の中に入れない、自分の気持ちと愚痴を関係させない、そして愚痴の対象となっている人をかばわないことが大切です。

     

    自分のことは話さない

    「自分のことは話さない」 

    これがカウンセラーの鉄則であると著者は述べています。

    なぜなら、自分のことを話すと長話になり相手の話す時間を奪うことになりやすく、また自分の考えや経験は相手の参考にならないことが多いからです。

    自分の経験は、その時のシチュエーション故に上手くいっているケースが多く汎用性が低い、また失敗談などでアドバイスを図ろうとしても他人から話される失敗談はどことなく“成功のための失敗”としての印象を与えやすい。

    相手の自慢話など退屈以外の何物でもありません。

    話を聞いてほしい人に自分のことを話し、退屈させるのはもってのほかです。

     

    「評論家」にならない

    話を聞いていると、腹立たしく思ったり、空しく感じたりすることがありませんか?

    例えば、子供の入試のこと相談している時、相手が上の空だったりすると、正直むかつきますよね。

    また「あなたの子供の偏差値からすると数学が問題だよね」などと評論家的な発言を言われても、これまたカチンと来ますよね。

     

    自分の気持ちを、あることにどれ程度関わらせているかの程度を「自我関与度」といいます。

    上述の例のように、聞き手の自我関与が低いと、話し手も話す意欲を失ってしまうのです。

    そして、いわゆる「評論家的」とは自我関与が低い発言をする人の態度を指します。

    相談者への共感性を失うと、この「評論家」になってしまい、聞き手としてイマイチになってしまうのです。

     

    評論家の質の悪いところは正論を述べることです。

    しかし、算数等とはことなり、現実において正しいことは1 つではないことが多く、また「正しい=好ましい」でも無いことが多いです。

    良い聞き手になるためには、正しいことだけに目を向けるのではなく、人間の弱い部分や影の部分に対しても理解し、自分事として共感しなくてはなりません。

    したがって、人の話を聞くことは、聞き手にとって、話し手と弱点をどこかで共有することを意味し、だから聞くことは大変であると言えます。

     

    「沈黙」と「間」の効用

    プロのカウンセラーの会話が、一般の人の会話と違う点は、「沈黙」と「間」を多用することです。

    日常的な会話においては、間が入ると、落ち着かなくなったり、気まずくなったりします。

    そして相談者、特に悩みを打ち明けてくる方は、深刻な悩みを抱えている人がほとんどなので、沈黙レベルで間が入ります。

     

    しかし、この場合の沈黙・間は、相談者が自分の考えを深め、自分を理解するための時間ですので、「気まずいから話しかける」といった行為は話し手のためになりません。

    むしろ相手が悩んでいるときは積極的に沈黙・間をはさみ、考える時間を作り出してあげることが推奨されます。

    もちろん、気まずさという問題から積極的に沈黙・間を入れることは胆力を必要とします。

    しかしながら、その気まずさに打ち勝ち、積極的に沈黙や間が入る会話ができるようになれば、「上級の聞き上手」になったといえます。

     

    まとめ

    聞き上手は話さない
    「聞き手」は、自分からは話さない。意見を聞かれた時は、手短に答える
    「避雷針」になる
    相手の愚痴を聞く時は、愚痴を自分の心の中にため込まず、自分の気持ちと愚痴を関係させないよう心がける。そうでないと、自分の方がおかしくなる。
    自分のことは話さない
    相手の役に立つと考えて自分の考えや経験を話す人がいるが、実際にはほとんど役立たない。
    「評論家」にならない
    正しいことだけを言う「評論家」になってはいけない。相手の弱い部分や影の部分をも認める姿勢が大切である。
    「沈黙」と「間」の効用
    「沈黙」と「間」を多く用いる。これがうまく活用できれば、「上級の聞き上手」といえる。

    いかがでしたでしょうか。

    日常的に使えるものから、あまり使わない(というか、使うシチュエーションに陥りたくない、、、)高度なものまで紹介されており、「聞く」ことについて一通り学ぶにはちょうど良い一冊であると感じました。

    だれでもできる「聞く」ことゆえ、周囲より高いレベルで身につけておきたいですよね。

    それでは、このへんで。

     

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