書評・映画評

    書評「When 完璧なタイミングを科学する」

    こんにちは。白衣です。
    本稿で紹介するの書籍は

    「When 完璧なタイミングを科学する」(著:ダニエル・ピンク)です。

     

     

    本書のテーマは「How to」ではなく「When to」。
    つまり「どのようにやるか」ではなく「いつやるか」というタイミングに焦点を当てた書籍です。

    書店に行くと様々な「How to」本を見かけますが、「When to」のみで一冊まとまった本は見たことがありません。
    本書は、そのような新しい観点より物事を考察した書籍です。

     

    著者のダニエル・ピンク氏は「フリーエージェント社会の到来」でブレークしたアメリカの作家で、ノースウェスタン大学を卒業後、イェール大学で法学博士を修めたエリートです。

    「フリーエージェント社会の到来」の後も、「ハイ・コンセプト」や「モチベーション3.0」など、これからの時代の新しい切り口となる考え方・フレームワークを提供し続けています。

     

    ちなみに「ハイ・コンセプト」や「モチベーション3.0」の翻訳者は元マッキンゼー、現ビジネスブレークスクール(BBT)大学学長の大前研一氏です。

    私がピンク氏の本を初めて手にとったきっかけは大前氏の名前に惹かれたためです笑。

    なお、本書「When 完璧なタイミングを科学する」の翻訳者は勝間和代氏で同じくマッキンゼー卒業生です)

     

    それでは、本書で特に興味深かった2点について紹介していきたいと思います。

     

    1. 人種・国境関係なし!? 人は朝と夜はポジティブなtweet, 昼にはネガティブなtweetをする

     

    朝昼晩で私達の気分やパフォーマンスがどのように変化するのかについてtwitterを用いて調査すると人種や宗教に関係なく、午前中はポジティブな発言が多く、だんだんと午後に向かってネガティブとなり、また夕方以降ポジティブな発言が増えていくそうです。

    当然、ネガティブな感情は逆に働き、午後~夕方に人は最もネガティブな感情に支配されます。

    また感情の変動に伴って認知能力も変動し、ポジティブマインドのときは注意深い判断ができるのですが、ネガティブマインドのときはケアレスミスを起こしがちです。

    その変動幅は20%前後と大きく、正常からほろ酔いちょっと手前レベルまで認知力は低下します。

    これは単純なプライベートのみ問題ではなく、ビジネスにおいても同様で、交渉事や就職活動の面接などは昼よりも朝一番か夜の方が、交渉を持ちかける側としては圧倒的に有利であることを示しています。

    一方で、クリエイティビティが求められる仕事は午後のほうが適しています。

    認知力が低下して常識という枠が取り払われやすいからです。

    したがって、大抵の交渉事やきめ細かい作業が求められるものは「朝~正午」か「夕方~夜」に行うことが良い、という「When to」のデータです。

    ただ注意点として、この判断力と時間の関係は全体の平均値であるため、例外も当然あります。

    本書では、クロノタイプ(体内時計の個人差)を、ヒバリ型(朝型)、中間型、フクロウ型(夜型)の3つにカテゴライズしており、寝てから朝起きるまでにその中央の時間がだいたい何時にくるかで判定します。

    例えば10時に寝て6時に起きるとしたら、中心の時間帯が午前2時になり、ヒバリ型に該当します。以下が区分基準と割合です。

    ヒバリ型:中心時間帯が午前1時から3時;14%
    中間型:中心時間帯が午前3時半から5時半;65%
    フクロウ型:中心時間帯が午前5時半移行;21%

    白衣は午前2時30分に寝て8時に起きるので、中心時間帯は午前5時15分。
    おおよそ中間型~フクロウ型の間です。

    ヒバリ型・中間型は上にしるしたサイクルが適応しますが、フクロウ型の人にとっては午前中よりも午後や夜の方が認知力が高くなります。

    これはどのように活かせばいいかと言うと、私たちがどのクロノタイプを持っているかでどこに自分のピークパフォーマンスが集中するかわかりますので、そのピークパフォーマンスに合わせて作業形態を変えていけば良い訳です(可能ならば仕事仲間や取引先も)。

    最も重要な認知力が必要な仕事については、朝型の人には午前中に、夜型の人には午後また夜といったピークの時間帯に入れるようにし、雑務など事務的な作業は他の時間帯に当てはめるようにすれば良いのです。

     

    2. 種族すらも関係なし!? チンパンジーにも起きる人生の中だるみとラストスパート

     

    「When to」のサイクルは1日で循環するもののみでなく、十年・数十年単位で循環するものもあります。

    その代表例として本書では人生のサイクルに注目しています。

    著者は72カ国の幸福度または人生満足度において調査した結果、ほぼ全ての国において、20代と30代の幸福度は高いものの、40代から50代の初めの人は幸福感がだんだん下がり、55歳以降の人の幸福感は再び上がるというU字カーブが存在することを見出しました。

    そして驚くべきことに、このU字カーブはチンパンジーやオラウータンにも見られる傾向であり、人類特有の傾向では無いようです。

    なんとなくマラソンをイメージすると分かりますが、最初は勢いよく走り、中程で疲れるものの、後半はまさにラストスパートで頑張れるものです。

    ただ、中盤から右肩下がりのままの人も一定数います。

    U字カーブを描くか、右肩下がりの折れ線グラフを描くかの違いは、「中間点を、何かを諦めるキッカケではなく目を覚ますキッカケ、として用いれるか否か」だそうです。

    すなわち、中間点を刺激として受け入れられると新たなモチベーションが湧いてくるが、中間点に受動的であるとそのまま衰退していきます

    また中間点ではなく終わりを意識するのもU字ターンを描くのに効果的です。
    「9エンダー」(ナインエンダー)という考えが本書で紹介されており、29歳や39歳、49歳など、年齢が9でエンドする人(ナインエンダー)は非常に精力的になりやすいそうです。

    「7つの習慣」の「目的を持って始める(終わりを思い描くことから始める)」に通じるものがありそうですね。

    中だるみは必然のものですが、そのままたるんでいってしまうのでは無く、中間点や終わりを意識してU字カーブを描くことが人生の幸福度の底上げにつながるのです。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか?
    この他にも「帰属意識」や「言語」について等、様々な切り口で「When to」について記述されており、大変面白い一冊でした。

    ただ少々事例の説明が長いかな、、、と思いました。

    きっと著者が学者気質なんでしょうね(法学博士だから当たり前か笑)。
    逆を言えば帰納がしっかりしているので導き出される演繹・考察の質も高いということですから、本書のデータは信頼性が高いということだと思います。

    興味を持たれた方は是非ご一読ください。

    COMMENT

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です