時事ネタ

    Uber自動運転車、初の死亡事故を起こす。それでも自動運転車は危険ではないと思う

    先週、自動車業界では、車のシェアリングサービスの大手である”Uber” の自動運転車が、初の死亡事故を起こしたとして大きなニュースになりました。

    自動運転に関する死亡事故は2016年にテスラモーターズが一度起こしています。しかしながら、そのケースではレベル2あるいは3の自動運転であり、ハンドルを握るようにシステムが警告を何度も鳴らしたにも関わらず、運転手が無視して映画を見ていたことが原因で、Tesla書責任を負うことはありませんでした。

    今回の事件はその場合とは異なり、レベル4の全自動運転中のテストです。有事の際のためにドライバーが乗車していたとはいえ、全自動運転システムが初めての死亡事故を起こしてしまったことは業界関係者のみならず、自動運転に猜疑心を持っていない方に対しても不安を与えました。現在ではUberだけではなく、他のメーカーも公道でのテスト走行を見合わせて次第です。

    しかしながら、不謹慎ではありますが今回の事件は自動運転に対する技術不足を提訴するような、大きな事件ではないと私は感じます。その理由としてアメリカの警察により、事故当時のビデオが公開されていますが、それを見る限り全自動運転ではなく人が乗っていたとしても今回の事件は避けられないのではないかと感じたためです。

    被害に遭われた方に対しては大変申し訳ありませんが、夜間に横断歩道のないところを上半身真っ黒な服を着て自転車で横切っており 、運転手に対して極めて認識しにくい状況になっています。

    確かに、通常のドライバーならばヘッドライトをハイビームにしているような夜道のため、そこをハイビームにせずに走行していたUberの自動運転技術に問題があるとは思いますが、自動運転技術そのものが不十分だということにはならないのではないでしょうか。

    自動運転は自動車の屋根に取り付けられているLIDARというレーダーを使った空間スキャナーによって行われています。

    自動運転の根幹技術 空間スキャナー「LIDAR」とは

     

    LIDARは、1秒間に数回転から数十回転する鏡を使ってレーザービームを周りの照射して、物体までの距離を測定するというものです。その測定精度は確かなものなのですが、走査型であるため時間的ギャップがあり、また自転車の車輪のような実質部分が少ないスカスカのものからはレーザーが反射されないので、認識しにくい、という欠点もあります。

    本事件はLIDARが可動している高さが車輪の高さで、LIDARにも反応しないまま自転車が近づいて来て事故が起きてしまった、というものではないかと私は思っています。

    以上のように自動運転はライトではなく、レーザーによって実現しています。そのためヘッドライトがハイビームであろうとなかろうと、関係はありません。しかしながら、車のライトというものはドライバーが道を見るためだけではなく、歩行者等にとっては車が接近しているというサインの意味合いも持ちます。

    そのため、仮に空間スキャナーが非常に優秀で光を照らす必要が一切なくても、ヘッドライト等は従来の内燃機関車どおり必須の装備ではあると考えます。この辺りが一種の技術発展の弊害ではないかと思います。

    また、本事故が自動運転の技術不足だけに由来するものではないと感じたもうひとつの理由があります。それは万が一の時の安全を確保するために運転席に座っていたドライバーが、スマートフォンでゲームか映画を見ていたようで、完全によそ見をしています。

    ドライバーがよそ見をしていたからといって、技術不足が悪くないということにはなりませんが、痛ましい事故の被害に遭われた側からするとやり場のない怒りの矛先が、ドライバーや自動運転技術に向かいやすくなってしまうと思われます。

    自動運転車の運転席に乗るということは退屈なことかもしれませんが、テストドライブ中なのですから「何かが起きる」というスタンスで、乗車していく必要があったのだろうと思います。

    私はいわゆる”ゆとり世代”ですのでITに対する親和性は高く、自動運転は賛成です。自動運転は必ず人間のドライバーよりも安全な未来を提供すると信じています。しかしながら自動運転と言っても100%の事故を回避できるわけではありませんし、また限りなく100%を回避できるということを法律的にも社会的にも認められるようになるまでは 、まだまだ数年以上かかると思います。

    その数年間の間は類似した事件がどうしても生じてしまい、大げさに騒ぎ立てるという事が 、何回か起きるのではないかと思います。

    自動運転社の自己の責任はドライバー? それとも製造会社?

    ところで自動運転が完全に普及した未来において、車の事故の責任はドライバーが取るのでしょうか、それとも車の製造会社が取るのでしょうか。またその場合、自動車保険等を販売する保険会社は、誰を対象に商売をすれば良いのでしょうか。

    仮に製造会社が全責任をを受け持つとした場合、保険会社は保険を製造会社に売ることになり、ただでさえ車事故が少なくなって売上が下がるにもかかわらず、素人ではなくメーカーのプロ相手に保険を売らざるを得ないと思うと、保険会社の未来も大変だなと思います。

    話が横道に逸れましたが、自動運転技術の進化はもはや止められるものではなく、数年後には自動運転車が日常のありふれたものとなっていると思います。研究者として、そのような進化に対して批判的になるのではなく、むしろ積極的に取り入れていく姿勢で人生送っていきたいなと感じました。

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