製薬企業への就活

    製薬企業就活―製薬企業の基礎知識編―

    今回から何回かに渡って、就職活動の情報についてお伝えしようと思います。私が就職活動を新卒で行っていたときは2015年(2016年入社予定)の時で、若干最新情報ではなくなっていますが、企業の基本情報等は変わらないため、その際に収集した情報は役に立つのでは無いかと思います。

    また、当時内定を頂いた業界(製薬企業の研究・開発、CRO、出版会社)などの履歴書やES 、面接内容について記載していこうと思います。まずは製薬企業の基礎知識について本稿では記載します。

    製薬企業とは

    言わずもがな、薬を作って売る会社です笑。そのためコメントはしません。押さえておくべき点は、新薬のみを作っているのか・ジェネリック薬品のみを作っているのか、 OTC医薬品のみを作っているのか・上記3点のうち複数に取り組んでいるのか、です。

    直接取り組んでいなくても、 100%子会社がOTC医薬品を作っていたりするので、その点については注意をしておくと良いと思います。例えば、新薬のみしか作らない第一三共と、その100%子会社であり、 OTC医薬品しか作らない第一三共ヘルスケア、といった仕様です。

    研究とは

    試験管を振ったり、動物実験を行ったり、あるいはスパコンで受容体にくっつくリガンドを演算したりする職業です。いわゆる大学の研究室等で盛んに行われているものです(規模・求められるレベルは大きく異なったりシますが…)。これは皆さんのイメージがしやすいのではないでしょうか。

    研究により作られた医薬品候補物(医薬品の認可が降りていないので、研究段階では「医薬品候補物」と呼ぶ)は、動物実験において十分な薬効と少ない副作用が認められると、その後、開発(治験:人体実験)に回されます。

    非常に狭き門で多くの企業で修士号はマストです。私が就活をしていた年は、武田薬品、アステラス製薬および第一三共の研究職に応募するためには、博士号が必須でした。おそらく今現在もそうなのではないでしょうか。

    製薬企業の要となる「ブレイン集団」であり、新薬が作られない昨今、応募者に対しても相当に高いレベルが求められています。

    製造とは

    スケールアップ研究を主に担当する職業のことです。「研究職」が0から1を作る研究だとしたら、「製造研究」は1を100にする仕事です。従って、「新薬を作りたい!」ということに重きを置く人は、希望する職種では無いのかも知れませんが、工学部出身などで大型の機械を使って何トン、何十トン単位の作業がしたいという方には適職と思われます。

    スケールアップ研究は何のためにあるのか、という質問を学生から受けることがあります。確かに普段の研究室単位の作業からは思い浮かびにくいのがしれませんが、非常に重要なお仕事です。

    例えば、新薬のプロトコールにおいて「80度から0度に急速に冷やす」といったものがあるとします。数100ml単位の溶液量でしたら、アイスボックスの中にフラスコを作ればいいだけですので、まったく問題はありません。しかしながら製薬企業で扱う単位は、トン単位です。

    1,000リットルの溶液を急速に冷やすため、仮にフラスコに入れてアイスボックスの中に突っ込んだとします。もちろん氷に接してるフラスコの外側の溶液は急速に冷えることができますが、中心部にある溶液は氷に一切接しないため「急速に冷やす」といった事は不可能です。

    当然。医薬品の化合物としての性質は、求められるレベルではなくなります。
    従って製造研究は、まさに製薬企業ならではの仕事、とも言い換えられる非常に重要な仕事なのです。

    開発とは

    治験をする人のことです。意外に薬学部でも「開発職」についてよくわかってない人が多くいます。繰り返しになりますが、一言で言うと治験をする人です。従って、試験管やフラスコ、実験動物等には一切手を触れません。

    業務内容としては、研究部隊から上がってきた新薬候補物を新薬にするための治験内容の立案、その内容に沿った患者が多くいる病院の選定および医師との交渉、医師との治験の進捗状況についての確認、データが揃ったらそれらをまとめてPMDAにて提出およびプレゼン、といったものです。

    昨今流行のCROとのやり取りも必須です。近年は、治験の主なプロトコール作りは開発が行い、実際の医師とのやり取りはCROの社員が行う、といったケースも少なくないようです。

    昔と異なり、医薬品候補物がなかなかできないので、開発の人は削減傾向にあります。大手製薬企業でも、年に新卒で4人採るか採らないかといった世界で、非常に厳しい競争世界が待っています。

    また治験というものはそもそもアメリが由来のものであるため、また新薬の開発は日本のみならず世界中で一気に行われるケースが多いため、英語は必須です。私がとある企業で開発職の集団面接を受けた際、帰国子女2人とTOEIC満点の人と一緒に受けさせられました。非常に苦痛でした笑。

    現役の開発職の先輩・友人に聞くと、最近の新卒者に求める英語の能力は「かなり高い」とのことです。もし開発者として採用されたいのであれば、英語の能力は必須でしょう。

    MRとは

    一言で言ってしまえば「営業」です。 MR職の人は営業とは異なると言いますが、この場では話を分かり易くするため「営業」という言葉を使わせていただきます。研究および開発が無事成功し、医薬品候補物から医薬品となったものを医師に使ってもらうよう営業をかける職業です。

    医師とのやりとりがマストのため薬の深い知識は必要ですが、文系出身の方も結構多くいます。文系出身MRの方と話をすると、表層的な知識は詳しいですけど、メカニズムまで落とし込むと「?」が浮かび上がる人も少なくなく、 MRの方のレベルの差は著しい気がします。

    多忙な医師の業務の間に営業かけるため、朝7時や深夜に病院で打ち合わせ、土日祝日をつかって打ち合わせなど、MRのタイムスケジュールは非常に過酷なものとなります。お給料は確かに高いですが、長い期間働く人は多くなく、転職前提で動いてる人もいたりします。

    学術とは

    医師や患者からの医薬品の問い合わせに対応する職業です。応募はあまり多くなく見かける事は少ないですが、一定数あります。理系修士というよりも薬剤師を求めているようなイメージがあります。

    相互作用についての問合せなどに適切にレスポンスため、医薬品のインタビューフォームの読み込みはもちろんですが、常に最新の論文に目を通しておくなど、勉強を継続するスタンスが求められます(学術に限った話ではありませんが…)。友人の話を聞くと、学会等にも参加するとのことで、 365日会社にかかってきた電話、送られてきた問い合わせのメールの対応してるわけではありません笑。

    今回は製薬企業の代表的な職業についてまとめてみました。もちろん取り上げた内容以外にも、MSL(メディカルサイエンスリエゾン)といった専門職や総務、広報といった一般職まで、いろいろな職業がまだまだあります。

    ただ新卒が応募するには、また本HPの読者の方々には、今回取り上げた内容が主になってくると思いますので、

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