時事ネタ

    ついにAIはクリエイティブ領域に進出か!? 

    本日紹介する記事はニューヨークタイムスに掲載されたもので、GPUで有名な Nvidia のエンジニアが、

    最新の機械学習の技術を用いて人間の顔を自動生成することに成功した

    というものです。

     

    近年の機械学習を使った画像の自動生成は、2014年に開発されたGANs (Generative adversarial networks) と呼ばれる手法によって急速に発展してきています。GANs についての詳細は省きますが、簡潔に説明しますと、二つの相反する役割を果たすニューラル・ネットワークを戦わせながら鍛えることにより、好循環のアルゴリズムを作ろうという、「学習し合うAI」のことです。

     

    上記のニューヨークタイムズの記事では「猫とネズミ」に例えて説明されています。わかりやすいイメージで言えば、「農薬と害虫」の関係です。薬学部的に言えば「抗生物質と多剤耐性菌」のイメージですかね。

     

    つまり「害虫を殺そうとする農薬」または「菌を殺そうとする抗生物質」役には害虫や菌を殺そうとする指示を出しておき、一方で「害虫」と「菌」役には、農薬や抗生物質には抵抗して生き残ろうとする指示を与えます。そして両者を何度も戦わせるのです。

     

    最初は作った害虫や菌はことごとく農薬や抗生物質にやられてしまいますが、「これではすぐに殺されてしまう」というフィードバックを何度も出しているうちに、害虫と菌は鍛えられて農薬と抗生物質に対して耐性を持ち始めます。

     

    それを受け、同時に農薬と抗生物質も鍛えられて、より効果的・効率的に農薬と抗生物質を殺せる能力が備わってきます。このようにフィードバックを何度も出し合い続けているうちに、両立場も鍛えられる、というアイデアです。

     

    この GANs を使った例として有名なもとして、写真を特定の画家(例えばゴッホ)が描いた絵画のように変換してしまうものがあります。これも「任意の画像をゴッホ風に変換する」ソフトウェアと、「与えられた画像がゴッホが描いた絵画かどうか判断する」ソフトウェアを戦わせることによって作ったアルゴリズムを使っています。

     

    この機能は、自動運転用のGPUとして作用されたNvidiaの特徴からして、センサーで撮影された人が、誰なのか、何人なのか、といったことを見分けることを目指している機能のように思います。また、もともとゲーム会社であるという特徴から、キャラクターを自動生成することにも有効なのではないでしょうか。

     

    AIはクリエイティブな仕事もこなすのか?

     

    この人間の顔の自動生成機能は果たしてクリエイティブと呼ぶのでしょうか。というのも大量に機械学習された人間の顔のデータから、パーツを寄せ集めて作り出しているにすぎないからです。

     

    しかしながら、私たちが人間の顔を人間の顔」と認識しているのは、これまでに人間の顔を大量に見てきて、それは人間の顔と意識してるからであり、この過程は機械学習となんら違いはありません。

     

    同様に、日本人の顔を「日本人の顔」と判断し、また欧米系の顔を「欧米系の顔」と判断しているのは、これまでに日本人の顔や欧米系の顔を大量にインプットしているからです。そして、このような大量にインプットされているため、日本人の顔や欧米系の顔を創造でアウトプットできるのです。

     

    したがって、このNvidiaの人間の顔の自動生成は、「パーツを寄せ集めるにすぎないソフト」ではなく、「機械がクリエイティブに人間の顔を生成するソフトウェア」であると考えます。

     

    AIが人間の職業を奪うと危惧される昨今、クリエイティブな職業は人間のみの領域であるとこれまでは考えられてきました。しかしながら、本記事のような技術(人間の顔の自動生成に限らず。作曲するAIや文章を生成するAIも出現しています)は、確実にクリエイティブ職の人々の仕事の一部を奪っていくものと思われます。

     

    クリエイティブ職であるにしろ無いにしろ、AIでは賄えない「価値」を創造する人間に成長していきたいと強く感じました。

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