薬と科学

    アンチエイジングを超えた若返り? 最新の遺伝子治療と悪魔の美容術

    こんにちは、白衣です。

    2018年12月現在、中国において遺伝子を改変した人間が出産されて大きな話題になっていますね。

    遺伝子改変は倫理を伴う非常に深刻でデリケートな問題のため、大きな議論が湧き上がっています。
    (遺伝子編集ベイビー(デザイナーベイビー)について白衣の意見を述べた記事はこちら「中国で誕生した遺伝子編集ベイビーから発想する未来」)

    しかし、遺伝子改変ベビーまで論を飛躍させなくても、遺伝子治療という言葉が日常において目にするほど身近なものとなってきています。

    遺伝子を操作すれば不治の病に立ち向かうことができるのか、高度な知力・身体能力を手に入れることができるのか、誰もが振り向く美貌を備えることができるのか、興味がつきません。

    本稿では、その遺伝子を操作する技術を用いて、倫理的には許されない、しかし誰もが求める「vs 老い」に挑戦、すなわち「Anti-aging」に挑戦したアメリカのCEOについて記述したいと思います。

    ダイエットと遺伝子についての記事はこちらから「やせられないのは努力が足りないからではない。遺伝子検査で広がる世界」)

     

    本実験を表面的に捉えると「不老不死」や「美容」の研究に見えますが、エリザベスCEOの狙いは老化にともなって発症する確率の高い疾患、高血圧や糖尿病などを発症させないこと、ひいてはパーキンソン病やアルツハイマー病など細胞が分裂できなくなった、臓器の中身がスカスカになってしまう疾患を予防することにあります。

    Antiーagingに挑戦したCEOとは、アメリカのバイオベンチャー「Bio Viva USA」のエリザベス(Elizabeth Parrish)です。

    日本ではほとんど報道されませんでしたが、エリザベスの若返りの遺伝子治療は、2016年当時、世界中で大きく報道されました。

     

    それもそのはず、彼女は「Anti-aging」に成功し、さらに自らを実験動物として人体実験を行ったからです。

    エリザベスCEOは、自身がある臨床検査の会社で検査を受けた際、

    1)自身の細胞の寿命が年齢に対して極端に短いこと、

    2)当時わずか9歳である彼女の息子が1型糖尿病に罹患しており、長期にわたって子供の世話をしなければならないにもかかわらず、彼女の家系が短命であること、

    の2点に問題意識を抱え、遺伝子治療による anti-aging に取り組むようになったと述べています

    2.Anti-aging を果たした悪魔の美容術と言える遺伝子治療とは? 

    エリザベスCEOが受けた自社の遺伝子治療は「染色体のテロメアを伸ばす」という治療内容でした。

    私達の体は常に新陳代謝を繰り返し、毎日毎時間作り変えられています。

    この新陳代謝の過程において、私たちの体の細胞は分裂を繰り返します。

    そして、この細胞が分裂する際に重要となる因子が「テロメア」であり、テロメアは細胞分裂をするたびに短くなっていきます。

    テロメアが限界まで短くなると細胞は分裂できなくなり、寿命を迎えたり、めちゃくちゃなエラー細胞が出来たりするのです。

    一方で、このテロメアを修復して伸長させる酵素「テロメアーゼ」と呼ばれる特殊なポリメラーゼが私たちの体の中には備わっています。

    しかし、正常な細胞の中で、このテロメアーゼはほとんど働く事はありません。

    活発に動いているのは、がん細胞くらいです。

     

    テロメアの長さは個人によって多少のバラツキはあるものの、おおよそ1万から2万の塩基対であると言われており、一回の細胞分裂で約100から150の塩基対がなくなっていきます。

    テロメアの塩基対が5,000程度まで低下すると細胞分裂が停止すると言われています。

    エリザベスCEOは、先に述べた臨床検査の会社で自身のテロメアの塩基対の長さを測定したところ、 6,710塩基対であり、当時44歳だった彼女の年齢にしては非常に短いことが明らかとなりました。

    しかし、テロメア延長の遺伝子治療を受けた後、彼女のテロメアの長さは7,330塩基対まで伸長していることが示されました。

    これはおよそ寿命20年分に相当するものとエリザベスCEOは述べています。

    すなわち、たった1度の遺伝子治療によって彼女は20歳相当若返ったということになります。

     

    しかしながら、本当にそのような事は可能なのでしょうか。

    白衣はこのニュースを見た際、「テロメアを伸ばす=寿命の延長」という点に強烈に違和感を覚えました。

    実際、本実験で伸びたテロメアの程度は誤差範囲であると疑問する専門家も少なくなく、また「テロメアの延長=健康」という因果関係は現時点ではほとんど確立されていません

    上記に述べたように、テロメアの延長の代表例は悪性腫瘍であることから、本遺伝子治療はがんを促すのではないかといった疑問の声も上がっています(治療から1年経った現在でも、エリザベスCEOから悪性腫瘍の報告はありません)。

    しかしながら彼女の動画および画像を見てみると45歳には見えず、「テロメアの延長は寿命の延長を引き起こした」とは断言できなくても、少なからず肌や筋肉等に対して何かしらのポジティブな影響を及ぼしたものと考えられます。

    本遺伝子治療の詳細は、当たり前ですが「非公開」とのことですが、ウイルスベクターを用いて白血球のテロメアを延長したとのことです。

    まだまだ改善の余地のある治療であり、コストも100万ドル以上と莫大であるため、安易に受けられるものではありませんが、遺伝子治療の可能性を大きく広げた治療(実験)では無いでしょうか(同時に倫理的側面も)。

    3.若返りを果たしたエリザベスCEOの目的とは? 

    本実験を表面的に捉えると「不老不死」や「美容」の研究に見えます。

     

    しかし、エリザベスCEOの狙いは老化にともなって発症する確率の高い疾患

    高血圧糖尿病などを発症させないこと、

    パーキンソン病アルツハイマー病など細胞が分裂できなくなり臓器の中身がスカスカになってしまう疾患を予防すること

    にあります。

     

    「若返り治療によって病気の撲滅に全力を注ぎたい」

    エリザベスCEOの強い情熱が、本実験の効果をより強化しているように感じました。

    オリジナル記事
    CEO tests “crazy” genetic therapy on herself, claims it added 20 years of life.ars technica.

    4.Anti-aging に効果的&現実的な遺伝子技術とは

    2018年現在において、効果的・金銭的に現実的・健康面で安全な「若返り遺伝子治療」は存在しません。

    しかし、効果的・金銭的に現実的・健康面で安全な「遺伝子検査を用いた Anti-aging 方法」はあります。

    それは、「自分の遺伝子の特性を知る」ということです。

     

    みなさんもご存知のように、人間というのは多様性の塊です。

    一人ひとりの顔や伸長が異なるのと同様に、一人ひとりに合ったダイエット方法やAnti-aging方法というのが存在します。

    これまでの科学技術では、個人個人にあったダイエット方法やAnti-aging方法を作り上げる能力がなかったため、多くの人に効果がありそうなものを代表例として広めてきました。

    しかし、やはり個人レベルでみると効果が発揮できないものも少なくありません。

     

    「糖質ダイエット」がいいから炭水化物抜いてみたけれど効果がない、

    「プラセンタ、セラミド」が良いっていうから積極的に塗っているけれど効果を感じない、

    など感じたことはないでしょうか?

    効果が実感できないのは、根性が足りない、といった単純な問題ではなく、そもそも身体に合っていない方法を試しているからかもしれません。

     

    しかし、現在の科学力は個人個人に合ったダイエット方法やAnti-aging方法を提供出来るレベルにまで達してきています。

    その最先端が「遺伝子検査」を用いたダイエットやAnti-aging 戦略の立案です。

    自身の遺伝子を検査することで、

    「耐糖能が低い」→「糖質を取ると太りやすい・糖尿病になりやすい」

    「乳製品や小麦粉の分解酵素の活性が低い」→「米よりもパンやパスタを食べると肌の老化が進行しやすい」

    などがわかってきます。

    つまり、「遺伝子検査」を用いたダイエットやAnti-aging 戦略は「効果的」なのです。

     

    「いやいや、摂取カロリー抑えて運動して消費カロリー増やせば良いだけでしょ」

    という意見もあると思います。

    全くの正論です。

    それで痩せられたり、美しさが手に入っているならば遺伝子検査など不要です。

     

    しかし、

    いやいや、摂取カロリー抑えて運動して消費カロリー増やせば良いだけでしょ」

    のハードルが遺伝子・体質レベルでめちゃくちゃ困難な人がいるのです。

    そして、そのような人の中でダイエットやAnti-aging を本気で考えている人は「遺伝子検査」をしたほうが絶対によいと白衣は考えます。

    5.おすすめのAnti-aging・ダイエットの遺伝子検査サービスは?

    そこで白衣がオススメする遺伝子検査キットは以下の2つです。

    1)「MYCODE」


    大企業 DeNA の子会社「DeNAライフサイエンス」が展開する遺伝子検査サービス「MYCODE」です。

    東京大学医科学研究所との共同研究を経て開発されたサービスで非常に信頼性が高いです。

    ヘルスケアパッケージ」が29,800円「がんパック」が14,800円で、体質などを検査したい場合は「ヘルスケアパッケージ」を購入する必要があります。

     

    お気づきかと思いますが、ヘルスケア色が強いため少々割高です。

    しかし、遺伝子は生涯を通じてほとんど変わらないため、白衣は「ヘルスケアパッケージ」を購入し、人生の早いうちに多くの情報を入手し、より効率的&効果的な人生を送った方が良いと考えます。

    女性の方には「乳がん」の発症確立は遺伝子を見るとかなり高い精度でわかるというデータもあります(気になる方はアンジェリーナ・ジョリーをご検索ください)ので、より一層おすすめです。

     

    2)「ジーンライフ」





     

    とはいっても、「29,800円は高いよ!」という方におすすめなのが、ジェネシスヘルスケア株式会社が展開する遺伝子検査キット「ジーンライフ」です。

    国内シェア70%にして2004年から遺伝子解析を行っている老舗です。

    簡易検査ですが、美容に関する遺伝子検査ならびにダイエットに関する遺伝子検査それぞれが 3,980円から受けられます。

     

    「遺伝子検査がどんなものか分からない、やってみたいけれど様子みてから本格的に受けてみたい」

    というかたは、「ジーンライフ」で一度遺伝子検査を試してみることをおすすめします。

    6.おわりに

    遺伝子という漠然とはイメージできるものの詳細は不明なものが身近になってきました。

    化学・生物学・情報学など各分野がとてつもない速度で進化した結果、到達できている素晴らしい現在です。

    一歩間違え得ると、倫理感的に深刻な問題を招きかねないですが、正しく使えば人類の歴史を大きく前進させる技術です。

    ぜひ有効に活用し、生活の質を上げてよりよい未来を作っていきましょう。

    それでは、このへんで。

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